平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問26 解説 コンプライアンスの定義
企業の活動のうち,コンプライアンスの推進活動に関係するものはどれか。
- ア 営業担当者が保有している営業ノウハウ,顧客情報及び商談情報を営業部門で共有し,営業活動の生産性向上を図る仕組みを整備する。
- イ 顧客情報や購買履歴を顧客と接する全ての部門で共有し,顧客満足度向上を図る仕組みを整備する。
- ウ スケジュール,書類,伝言及び会議室予約状況を,部門やプロジェクトなどのグループで共有し,コミュニケーションロスを防止する。
- エ 法令遵守を目指した企業倫理に基づく行動規範や行動マニュアルを制定し,社員に浸透させるための倫理教育を実施する。 ✓ 正答
解説
この問題は、コンプライアンス(Compliance)という言葉が持つ「法令遵守」という意味を正しく理解していれば、選択肢を一目見るだけで正解を選べる問題です。コンプライアンスに関係する選択肢を探す際は、「法律」「ルール」「倫理」「規範」「教育」といったキーワードが含まれているかどうかを判断基準にしてください。
コンプライアンス(Compliance)の基礎知識 コンプライアンスは、直訳すると「法令遵守」ですが、現代の企業活動においては単に法律を守るだけでなく、社会的なルールや社内の倫理規定を守り、公明正大に業務を行うこと全般を指します。
なぜ企業はコンプライアンスを重視するのでしょうか。それは、不祥事によって一度でも社会的信用を失うと、取引先との契約解除やブランドイメージの著しい低下を招き、企業の存続が危ぶまれる事態に発展するからです。そのため、多くの企業は「行動規範(コード・オブ・コンダクト)」を定め、従業員に対して定期的に研修を行っています。
各選択肢の解説 選択肢ア、イ、ウは、いずれも業務効率化や顧客満足度の向上を目的とした「情報共有」に関する取り組みです。これらはITを活用した経営戦略としては重要ですが、コンプライアンスそのものを直接的な目的としたものではありません。
選択肢エは、法令遵守を目的とした行動規範の制定や、それを社員に浸透させるための倫理教育について述べています。これはコンプライアンス活動の典型的な手法であり、まさに定義通りと言えます。
ITパスポートで問われるコンプライアンスの視点 試験において、コンプライアンスに関する知識は、情報セキュリティや企業の社会的責任(CSR)と関連付けて出題されます。特に「企業が不正を防ぐためにどのような管理体制を敷くべきか」という問いに対して、内部統制や情報セキュリティ管理規定の重要性を理解しておくことが求められます。
実社会では、法律は時代に合わせて変化します。コンプライアンス担当者は、最新の法律情報をキャッチアップし、それを社内の実務に落とし込むという調整役の役割も担います。ITパスポートの学習を通じて、技術的な知識だけでなく、企業人として守るべき倫理観やルールが重要であるという感覚を養ってください。
コンプライアンスとは - Wikipedia 企業が取り組むべきコンプライアンスとは? - ITパスポート試験ドットコム コンプライアンス経営(経済産業省)