平成30年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問11 解説 企業提携のデメリット
企業が,他の企業の経営資源を活用する手法として,企業買収や企業提携がある。 企業買収と比較したときの企業提携の一般的なデメリットだけを全て挙げたものは どれか。 a 相手企業の組織や業務プロセスの改革が必要となる。 b 経営資源の活用に関する相手企業の意思決定への関与が限定的である。 c 必要な投資が大きく,財務状況への影響が発生する。
- ア a
- イ a, b, c
- ウ a, c
- エ b ✓ 正答
解説
この問題は、他社の力を借りる際の「支配力の強さ」と「コスト・リスクの大きさ」の関係を整理することで正解を導き出せます。企業買収(M&A)は相手を自社の一部にするため支配力が強い反面、コストとリスクが大きくなります。対する企業提携(アライアンス)は、独立した関係を保つため低コストで済みますが、相手を自由に動かせないという制約があります。
選択肢の各項目を、企業提携の視点から分析します。
a 相手企業の組織や業務プロセスの改革が必要となる。 これは企業買収において特に顕著な課題です。買収後は異なる文化やシステムを統合するPMI(Post Merger Integration)という膨大な作業が発生します。提携でも多少の調整は必要ですが、買収と比較したときの提携特有のデメリットとは言えません。
b 経営資源の活用に関する相手企業の意思決定への関与が限定的である。 これが企業提携の代表的なデメリットです。提携相手は依然として別の会社であるため、自社の思い通りに意思決定をコントロールすることはできません。買収してしまえば自社の一部として直接命令を下せるようになるため、これと比較すると提携の弱点といえます。
c 必要な投資が大きく、財務状況への影響が発生する。 これは企業買収のデメリットです。他社を丸ごと買い取るには多額の資金が必要になり、失敗したときのリスクも甚大です。提携は契約ベースでリソースを出し合う形が多いため、買収よりも少ない投資で済みます。
したがって、提携のデメリットに該当するのはbのみとなり、正解はエです。
ITパスポート試験において、この知識はストラテジ系の「経営戦略手法」として頻出します。以下の対比構造を覚えておくと、他の問題にも応用が効きます。
・企業買収(M&A) メリット:迅速に経営資源(技術、顧客、人材)を全て入手できる。強い支配力。 デメリット:買収資金が巨額。異なる組織文化の統合に苦労する(PMIの困難)。
・企業提携(アライアンス) メリット:低コスト・低リスクで始められる。解消も比較的容易。 デメリット:ノウハウが流出する恐れがある。相手の意思決定をコントロールできない。
試験では「自社にない技術を短期間で、かつリスクを抑えて取り入れたい場合はどちらが適しているか」といった、状況に応じた手法の選択を問うパターンも多いため、それぞれの長所と短所をセットで理解しておくことが合格への近道です。
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