平成30年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問21 解説 リスクアセスメント
問21 X社では,現在開発中である新商品Yの発売が遅れる可能性と,遅れた場合における今後の業績に与える影響の大きさについて,分析と評価を行った。この取組みに該当するものとして,適切なものはどれか。
- ア ABC分析
- イ SWOT分析
- ウ 環境アセスメント
- エ リスクアセスメント ✓ 正答
解説
「発売が遅れる可能性(発生確率)」と「業績に与える影響の大きさ(影響度)」の二つの軸で分析・評価を行っている点に着目します。このように、将来起こり得るマイナスの事象について、その確からしさと損失の程度を明らかにするプロセスをリスクアセスメントと呼びます。
リスクアセスメントは、一般的に「リスク特定」「リスク分析」「リスク評価」の三つのステップで構成されます。今回の問題に当てはめると、新商品の発売遅延という事態を想定するのが「特定」、その確率と影響の大きさを調べるのが「分析」、そしてその結果をもとに、対策が必要なほど重大なものかどうかを判断するのが「評価」にあたります。
ITパスポート試験において、リスクアセスメントは主に情報セキュリティやプロジェクトマネジメントの分野で頻出する概念です。例えば、情報漏えいが起こる確率と、漏えいした際の損害賠償額を計算して、どのようなセキュリティ対策に予算を投じるべきか検討する場面などが代表的です。
選択肢にある他の用語についても、試験で狙われるポイントを整理しておきましょう。
ABC分析は、在庫管理などでよく使われる手法です。売上高や在庫金額などの評価軸で商品を並べ、累積構成比によってA、B、Cの三つのグループに分類します。重要度に応じた重点的な管理を行うための分析であり、リスクの発生確率を扱うものではありません。
SWOT分析は、企業の経営戦略を立てる際に用いられるフレームワークです。強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の四つの観点で、自社を取り巻く環境を分析します。現状の把握や戦略立案には適していますが、個別の事象のリスクを数値的に評価する手法とは異なります。
環境アセスメント(環境影響評価)は、大規模な開発事業を行う際に、その事業が自然環境にどのような影響を及ぼすかを事前に調査・予測・評価する仕組みです。主に建設業や行政の文脈で使われる言葉であり、ビジネスにおける業績悪化のリスク分析を指す言葉ではありません。
これら四つの用語は、どれもITパスポート試験のストラテジ系(経営・戦略)やマネジメント系で繰り返し登場するため、それぞれの目的と対象の違いを明確に区別しておくことが合格への近道となります。