平成30年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問22 解説 プロセスイノベーション
製品の製造におけるプロセスイノベーションによって,直接的に得られる成果は どれか。
- ア 新たな市場が開拓される。
- イ 製品の品質が向上する。 ✓ 正答
- ウ 製品一つ当たりの生産時間が増加する。
- エ 歩留り率が低下する。
解説
イノベーションの対象が「製品そのもの(プロダクト)」なのか、それとも「作る工程や仕組み(プロセス)」なのかを区別することが正解への近道です。製造工程の革新であるプロセスイノベーションは、コスト削減、時間の短縮、品質の安定など、生産現場における直接的な改善をもたらします。
イノベーションは、経済学者のシュンペーターによって提唱された概念で、技術革新だけでなく新しい活用方法や仕組みの導入も含まれます。ITパスポート試験においては、主に以下の二つの対比が重要になります。
一つ目は、プロダクトイノベーションです。これは、画期的な新製品やサービスを開発し、市場に投入することを指します。例えば、スマートフォンが登場して人々の生活スタイルを一変させたようなケースがこれに当たります。
二つ目は、今回の問題のテーマであるプロセスイノベーションです。これは、製品を製造する工程や、サービスを提供する手順を改善・効率化することを指します。具体的には、工場のラインに産業用ロボットを導入して組み立て作業のミスを減らす、最新のITシステムを活用して受注から配送までの期間を短縮する、といった取り組みです。
選択肢を分析すると、イの品質向上は、製造工程を磨き上げることで不良品が減り、均一で高いクオリティの製品を作れるようになることを指しており、プロセスイノベーションの直接的な成果として最も適切です。
他の選択肢についても確認しましょう。アの新たな市場の開拓は、今までにない魅力的な製品を生み出した結果として得られるもので、一般的にはプロダクトイノベーションの成果とされます。ウの生産時間の増加や、エの歩留り率(良品の割合)の低下は、製造現場における効率の悪化を意味しており、イノベーションによる改善とは真逆の結果です。
この知識は、企業の競争力を高める戦略(経営戦略)の問題でよく問われます。近年では、AIやIoTを活用して工場の稼働状況をリアルタイムで把握し、製造プロセスを最適化するスマート工場の実現も、大規模なプロセスイノベーションの例として注目されています。
- イノベーション - Wikipedia
- プロセスイノベーションとは - IT用語辞典 e-Words
- プロダクト・イノベーションとプロセス・イノベーションの違いとは?それぞれの事例も紹介