平成30年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問48 解説 WBSの作成
プロジェクトマネジメントにおける WBS の作成に関する記述のうち,適切なもの はどれか。
- ア 最下位の作業は1人が必ず1日で行える作業まで分解して定義する。
- イ 最小単位の作業を一つずつ積み上げて上位の作業を定義する。
- ウ 成果物を作成するのに必要な作業を分解して定義する。 ✓ 正答
- エ 一つのプロジェクトでは全て同じ階層の深さに定義する。
解説
この問題の正解はウです。WBSという言葉はWork Breakdown Structureの略で、直訳すると作業分解構成図となります。試験で「WBSの定義」を問われたら「成果物ベースで分解する」というキーワードを即座に連想してください。
WBSとは、プロジェクトの最終的な成果物(完成品)を完成させるために、どのような作業が必要かを階層的に洗い出す手法です。大きなタスクを小さな作業単位に分解していくことで、全体の作業漏れを防ぎ、誰が何をすべきかを明確にする目的があります。この時、作業そのものから考えるのではなく、「どんな成果物が必要か」という視点から逆算して分解していくのが鉄則です。
他の選択肢が誤りである理由は以下の通りです。
ア:作業を1日単位まで分解するというルールはありません。プロジェクトの規模や内容に応じて、適切な粒度で設定します。細分化しすぎると管理コストが膨大になり、かえって効率が落ちるため注意が必要です。
イ:最小単位から積み上げるのはボトムアップ型の考え方ですが、WBSはあくまで成果物全体を上位から下位へと階層的に分解する(トップダウン型)アプローチが基本です。
エ:全ての階層の深さを同じにする必要はありません。枝によって作業の複雑さが異なるため、複雑な成果物は細かく分解し、単純なものは粗く分解するというように、深さに偏りがあっても問題ありません。
プロジェクトマネジメントの実務では、WBSはスケジュール管理(ガントチャートの作成)やコスト見積もりの基盤となります。WBSができていないプロジェクトは、「何をどこまでやれば終わるのか」という全体像が曖昧になり、進捗管理が破綻するリスクが高まります。試験では、WBSの目的が「全体作業の可視化」や「作業漏れの防止」にあるという点も併せて押さえておきましょう。
- IT用語辞典e-Words WBS(作業分解構成図)