第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問130
certification-simodake-work

令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問130 解説 問13 問13

設問図

問13 図に示すようなフィードバック制御系がある。閉ループ周波数伝達関数W(jω) = C(jω) / R(jω) のボード線図の折線近似ゲイン特性として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、ωは角周波数[rad/s]を表す。

  1. (1)
  2. (2)
  3. (3)
  4. (4) ✓ 正答
  5. (5)

解説

与えられたフィードバック制御系の閉ループ伝達関数 W(s)W(s) は一次遅れ系の標準形となり、折れ点周波数 K/TK/T においてゲインが 0 dB0\,\text{dB} から低下を開始し、高周波域で −20 dB/dec-20\,\text{dB/dec} の傾きを持つ特性となるため、選択肢(4)のグラフが導かれます。

閉ループ伝達関数とブロック線図の関係

制御系において、入力 R(s)R(s) から出力 C(s)C(s) までの伝達関数 W(s)W(s) は、ブロック線図の構成から次のように求められます。一巡伝達関数を G(s)=KsTG(s) = \frac{K}{sT} とすると、負帰還系の閉ループ伝達関数 W(s)W(s) は以下の式で表されます。

W(s)=G(s)1+G(s)=KsT1+KsT=KsT+K=K/Ts+K/TW(s) = \frac{G(s)}{1 + G(s)} = \frac{\frac{K}{sT}}{1 + \frac{K}{sT}} = \frac{K}{sT + K} = \frac{K/T}{s + K/T}

この式は、一次遅れ系の伝達関数 K′s+ωc\frac{K'}{s + \omega_c} の形をしており、ここでの時定数は T/KT/K、折れ点周波数(遮断周波数)は ωc=K/T\omega_c = K/T となります。

ボード線図におけるゲイン特性

ボード線図の折線近似では、周波数特性 W(jω)W(j\omega) の大きさを 20log⁡10∣W(jω)∣20 \log_{10} |W(j\omega)| としてプロットします。

  1. 低周波域(ω≪K/T\omega \ll K/T)において、分母の s=jωs = j\omega は無視できるため、W(jω)≈K/TK/T=1W(j\omega) \approx \frac{K/T}{K/T} = 1 となります。デシベル換算では 20log⁡101=0 dB20 \log_{10} 1 = 0\,\text{dB} となり、ゲインは一定です。
  2. 折れ点周波数(ω=K/T\omega = K/T)に達すると、一次遅れ要素の性質により、それ以降の周波数帯域ではゲインが −20 dB/dec-20\,\text{dB/dec} の勾配で減衰していきます。
  3. 選択肢のグラフを比較すると、横軸の折れ点周波数の位置が K/TK/T であり、そこから右側に向けて −20 dB/dec-20\,\text{dB/dec} の直線が引かれているものが、導出した特性と一致します。

W(jω)W(j\omega) の式における分母の項に目を向けると、周波数が増大するに従ってどのタイミングで出力が減衰し始めるかが見えてきます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう