令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問40 解説 問4 問4
問4 あるかご形三相誘導電動機を定格電圧でY-Δ始動したところ, 始動トルクは60 N・mであった。また, Δ結線での全電圧始動時(定格電圧)の始動トルクは定格運転時の240 %である。この電動機の定格運転時のトルクの値 [N・m] として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 20
- 25
- 35
- 43
- 75 ✓ 正答
解説
Y-Δ始動時の始動トルクは全電圧始動時の1/3になるという関係を用い、定格トルクに対する始動トルクの倍率から計算することで、定格トルクは75 N・mと求められます。
三相誘導電動機の始動トルクと電圧の関係
誘導電動機の始動トルク は、入力される電圧の2乗に比例するという性質があります。これは、トルクが磁束と二次電流の積に比例し、磁束と二次電流がそれぞれ印加電圧に比例するためです。
Y-Δ始動は、始動時に固定子巻線をY結線にすることで、各相にかかる電圧を全電圧(Δ結線の状態での電圧)の 倍に抑える始動方式です。各相の電圧が 倍になることで、始動トルクは 倍となります。つまり、Y-Δ始動時の始動トルクは、全電圧始動時の始動トルクのちょうど3分の1という関係が成り立ちます。
始動トルクから定格トルクを導く手順
全電圧始動時の始動トルクを算出します。Y-Δ始動時の始動トルクが60 N・mであるため、全電圧始動時の始動トルク は、これに3を掛けて N・m となります。
全電圧始動時の始動トルクと定格トルクの関係を整理します。問題文より、全電圧始動時の始動トルクは定格トルク の240 %(2.4倍)であることが示されています。この関係を式にすると、 となります。
定格トルクを決定します。先ほど求めた180 N・mを代入すると、 となるため、定格トルク N・m と導き出されます。
Y-Δ始動時の60 N・mという値と、定格運転時の240 %という倍率を重ねてみると、電動機が本来持っているトルクの大きさが浮かび上がってきます。