令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問120 解説 問12 問12
問12 次の文章は,光の基本量に関する記述である。光源の放射束のうち人の目に光として感じるエネルギーを光束といい単位には(ア)を用いる。照度は,光を受ける面の明るさの程度を示し,(イ)とは被照射面積1m^2に光束1(ア)が入射しているときの,その面の照度である。光源の各方向に出ている光の強さを示すものが光度である。光度I(ウ)は,立体角ω[sr]から出る光束をF(ア)とするとI=F/ωで示される。物体の単位面積から発散する光束の大きさを光束発散度M(エ)といい,ある面から発散する光束をF,その面積をA[m^2]とするとM=F/Aで示される。光源の発光面及び反射面の輝きの程度を示すのが輝度であり,単位には(オ)を用いる。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) [lx] [lm] [cd] [lx/m^2] [lx/sr]
- (2) [lm] [lx] [lm/sr] [lm/m^2] [cd]
- (3) [lm] [lx] [cd] [lm/m^2] [cd/m^2] ✓ 正答
- (4) [cd] [lx] [lm] [cd/m^2] [lm/m^2]
- (5) [cd] [lm] [cd/sr] [cd/m^2] [lx]
解説
この問題は、光に関する基本的な物理量とその単位についての知識を問うものです。各空白に適切な単位を当てはめると、選択肢(3)が正解となります。
光の基本量とその定義
光の分野では、光のさまざまな側面を定量的に扱うためにいくつかの基本的な物理量が定義されており、それぞれに固有の単位が定められています。これらの量を理解することは、照明設計や光計測の基礎となります。
光束 (Luminous Flux)
光源から放出される光エネルギーのうち、人の目で光として感じられる部分の総量を「光束」といいます。光束は、光が持つ明るさの「量」を表す概念で、光源の明るさを全体的に評価する際に用いられます。単位は**ルーメン[lm]**です。
照度 (Illuminance)
光が当たる面の明るさの程度を示すのが「照度」です。これは、単位面積あたりにどれだけの光束が入射しているかを表します。例えば、本を読む机の上がどれくらい明るいかを示すのに使われます。単位は**ルクス[lx]**であり、1ルクスは1平方メートルあたりに1ルーメンの光束が入射している状態に相当します。つまり、1 [lx] = 1 [lm/m] の関係が成り立ちます。
光度 (Luminous Intensity)
光源から特定の方向に出る光の強さを「光度」といいます。光束が光の総量を表すのに対し、光度はある方向への光の集中度合いを示すものです。指向性の強い光源(例えば懐中電灯のビーム)では光度が高くなります。単位は**カンデラ[cd]**です。光度は、立体角[sr]から出る光束を[lm]とすると、 [lm/sr] で表されるため、1 [cd] = 1 [lm/sr] の関係があります。
光束発散度 (Luminous Exitance)
物体の単位面積から発散する光束の大きさを「光束発散度」といいます。これは、光源の表面や反射面から、あらゆる方向へどれだけの光束が放出されているかを示すものです。光束発散度は、光束[lm]が面積[m]から発散している場合、 で計算されます。単位は**ルーメン毎平方メートル[lm/m]**です。
輝度 (Luminance)
光源の発光面や反射面が、特定の方向から見たときにどれくらい「輝いているか」を示すのが「輝度」です。これは、その面がどれだけ明るく見えるか、あるいはまぶしいかといった感覚と密接に関わります。単位は**カンデラ毎平方メートル[cd/m]**です。輝度は、その面の単位投影面積あたり、特定の方向にどれだけの光度があるかで定義されます。
空欄を埋める判断ステップ
上記の光の基本量とその単位の定義を用いて、問題文の空欄(ア)~(オ)を順に特定します。
空欄(ア)の特定: 問題文の最初の記述「光源の放射束のうち人の目に光として感じるエネルギーを光束といい単位には(ア)を用いる。」から、光束の単位を問われていることがわかります。光束の単位はルーメン[lm]です。 したがって、(ア)には**[lm]**が入ります。
空欄(イ)の特定: 次に、「照度は,光を受ける面の明るさの程度を示し,(イ)とは被照射面積1mに光束1(ア)が入射しているときの,その面の照度である。」とあります。照度の定義を尋ねており、1mの面積に1(ア)(つまり1ルーメン)の光束が入射したときの照度とあります。この定義に合致する照度の単位はルクス[lx]です。 したがって、(イ)には**[lx]**が入ります。
空欄(ウ)の特定: 「光源の各方向に出ている光の強さを示すものが光度である。光度I(ウ)は,立体角[sr]から出る光束をF(ア)とするとI=F/で示される。」と記述されています。光度の単位を問われており、光度の単位はカンデラ[cd]です。定義式からも、[lm/sr]が[cd]に等しいことが確認できます。 したがって、(ウ)には**[cd]**が入ります。
空欄(エ)の特定: 「物体の単位面積から発散する光束の大きさを光束発散度M(エ)といい,ある面から発散する光束をF,その面積をA[m]とするとM=F/Aで示される。」とあります。光束発散度の単位を尋ねています。光束の単位は(ア)で特定した通り[lm]であり、面積の単位は[m]と示されています。したがって、から、単位は[lm/m]となります。 したがって、(エ)には**[lm/m]**が入ります。
空欄(オ)の特定: 最後に、「光源の発光面及び反射面の輝きの程度を示すのが輝度であり,単位には(オ)を用いる。」とあります。輝度の単位を問われており、輝度の単位はカンデラ毎平方メートル[cd/m]です。 したがって、(オ)には**[cd/m]**が入ります。
以上の結果をまとめると、(ア)~(オ)は順に [lm], [lx], [cd], [lm/m], [cd/m] となり、これは選択肢(3)と一致します。
光束、照度、光度、光束発散度、輝度といった光の基本量とその単位を整理して見比べると、それぞれの物理量が表す光の性質の違いがより明確に見えてきます。