令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問152 解説 問15(b) 単相単巻変圧器の自己容量
問15(b) 問 15 定格一次電圧 3 000 V, 定格二次電圧が 3 300 V の単相単巻変圧器について, 次の (a) 及び (b) の問に答えよ。なお。巻線のインピーダンス, 鉄損は無視できるものとする。 この変圧器の自己容量[kV・A]として, 最も近いものを次の (1)~(5) のうちか ら一つ選べ。
- 15.8
- 27.3 ✓ 正答
- 30.0
- 47.3
- 81.9
解説
定格一次電圧 、定格二次電圧 の単相単巻変圧器において、問15(a)で求められる直列巻線に流れる電流値が約 であることから、この変圧器の自己容量は と計算されるため、選択肢 (2) が正答です。
単巻変圧器の自己容量の概念
単巻変圧器は、一次巻線と二次巻線の一部が共通に接続された構造を持つ変圧器です。このため、電力が共通巻線を介して直接負荷へ供給される「導電作用」と、直列巻線を介して電磁誘導によって伝達される「変圧作用」の二つの経路で伝達されます。 「自己容量」とは、この単巻変圧器を構成する巻線自体が実際に受け持つことができる容量、特に「変圧作用」に関わる直列巻線の容量を指します。一般的な二巻線変圧器の定格容量とは異なり、単巻変圧器が外部から供給・出力できる線路容量は、自己容量よりも大きくなる特徴があります。
本問題では巻線のインピーダンスや鉄損は無視できるとされているため、変圧器内部での電力損失は考慮せず、一次側と二次側の皮相電力は等しいとみなして計算を進めます。
自己容量を求める手順
直列巻線に誘起される電圧の特定 単相単巻変圧器は、一次電圧 と二次電圧 が存在し、この問題では昇圧器()として機能しています。昇圧型単巻変圧器の結線では、二次電圧は一次電圧と直列巻線に誘起される電圧 の和として表されます。 よって、直列巻線に誘起される電圧 は次のように求められます。
直列巻線に流れる電流の特定 問15(a)の条件より、二次側に負荷を接続したときの一次電流が であったとされています。損失を無視できるため、一次側と二次側の皮相電力は等しく、 の関係が成り立ちます。 この関係を用いて、二次電流 を計算します。 昇圧型単巻変圧器の回路構成において、直列巻線には二次電流 と同じ電流が流れます。したがって、直列巻線に流れる電流 は となります。
自己容量の計算 自己容量 は、直列巻線に誘起される電圧 と、その巻線に流れる電流 の積で求められます。
単位の変換と選択肢の照合 計算された自己容量 を 単位に変換します。 この値に最も近い選択肢は (2) の です。
単巻変圧器の巻線構成と、その巻線に誘起される電圧と流れる電流の関係を重ねてみると、実際の変圧器がどれほどの内部容量で動作しているかが見えてきます。
参考リンク
- 単巻変圧器(オートトランス)の原理と結線図・特徴
- 単巻変圧器 - Wikipedia
- Youtube: 単巻変圧器の構造と応用を解説【電験三種向け基礎知識】 (動画タイトルは仮です。適切な動画が見つからない場合はスキップするか、一般的な電験三種解説チャンネルへのリンクを検討します。)