第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問40
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令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問40 解説 問4 問4

設問図

問4 定格出力 $36\text{ kW}$,定格周波数 $60\text{ Hz}$,8極のかご形三相誘導電動機があり,滑り $4\text{ %}$ で定格運転している。このとき,電動機のトルク $[\text{N}\cdot\text{m}]$ の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械損は無視できるものとする。

  1. 382
  2. 398 ✓ 正答
  3. 428
  4. 458
  5. 478

解説

誘導電動機のトルクは、電動機の出力と回転時の角速度との関係によって決まり、与えられた条件から計算した値は約398 N・mとなります。

トルクと回転運動の関係

回転している機械のトルク TT [N・m] は、その出力 PP [W] と角速度 ω\omega [rad/s] を用いて、次の基本関係式で表されます。 T=PωT = \frac{P}{\omega}

ここで角速度 ω\omega は、回転子の回転速度 NN [min^-1] を用いて ω=2πN60\omega = \frac{2 \pi N}{60} と記述できるため、出力と回転速度が分かれば、機械損を無視できる条件の下でトルクを算出できます。

同期速度と滑り

誘導電動機では、電源周波数 ff [Hz] と極数 pp で決まる回転磁界の速度(同期速度) NsN_s [min^-1] に対して、回転子が滑り ss を伴って遅れて回転する性質があります。同期速度は以下の式で求められます。 Ns=120fpN_s = \frac{120 f}{p}

誘導電動機の運転状態の算出

与えられた条件を順に適用して計算を進めます。

  1. 同期速度 NsN_s を算出します。 Ns=120×608=900 min−1N_s = \frac{120 \times 60}{8} = 900 \text{ min}^{-1}

  2. 実際の回転速度 NN を算出します。滑り s=0.04s = 0.04 であるため、回転子は同期速度の (1−s)(1 - s) 倍で回転します。 N=Ns(1−0.04)=900×0.96=864 min−1N = N_s (1 - 0.04) = 900 \times 0.96 = 864 \text{ min}^{-1}

  3. このときの角速度 ω\omega を算出します。 ω=2π×86460=28.8π≈90.478 rad/s\omega = \frac{2 \pi \times 864}{60} = 28.8 \pi \approx 90.478 \text{ rad/s}

  4. 出力 P=36 kW=36000 WP = 36 \text{ kW} = 36000 \text{ W} を用い、トルク TT を算出します。 T=3600090.478≈397.89 N・mT = \frac{36000}{90.478} \approx 397.89 \text{ N・m}

計算結果を照らし合わせると、選択肢のうち約398 N・mが該当します。

極数による磁界の回転と、滑りによって生じる実際の回転との差を重ねてみると、電動機が軸に伝えるトルクの仕組みが見えてきます。

参考リンク

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