第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問40
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令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問40 解説 問4 問4

設問図

問4 1kgのウラン燃料に3.5%含まれるウラン235が核分裂し,0.09%の質量欠損が生じたときに発生するエネルギーと同量のエネルギーを,重油の燃焼で得る場合に必要な重油の量[kL]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,計算上の熱効率を100%,使用する重油の発熱量は40000kJ/Lとする。

  1. 13
  2. 17
  3. 70 ✓ 正答
  4. 1.3×10^3
  5. 7.8×10^4

解説

1kgのウラン燃料に含まれるウラン235の質量とその核分裂に伴う質量欠損からアインシュタインの式を用いて算出されるエネルギーが、40000kJ/Lの発熱量を持つ重油で約70kL分に相当するため、選択肢(3)が正当となります。

アインシュタインの質量とエネルギーの等価性

核分裂のような反応において、反応前の物質の質量の合計と反応後の質量の合計との間にはわずかな差が生じることがあります。この失われた質量を質量欠損と呼び、アインシュタインの式 E=mc2E = mc^2 によって、質量がエネルギーに変換されることが示されます。

この式において、EE は発生するエネルギー [J]、mm は質量欠損 [kg]、cc は真空中の光速であり、約 3×1083 \times 10^8 [m/s] という非常に大きな値をとります。この関係式は、わずかな質量の変化が膨大なエネルギーへと変換されることを示しており、原子力発電の根幹となる理論です。エネルギーの単位を [kJ] に換算する際は、10310^3 で割る必要があります。

核分裂エネルギーと重油の燃焼量の計算

以下の手順で、核分裂で生じるエネルギーと、それを補うために必要な重油の量を特定します。

  1. 核分裂するウラン235の質量を算出します。1kgの燃料中に3.5%含まれているため、1×0.035=0.0351 \times 0.035 = 0.035 [kg] となります。
  2. 質量欠損分を算出します。ウラン235の質量に対し0.09%の欠損が生じるため、0.035×0.0009=3.15×10−50.035 \times 0.0009 = 3.15 \times 10^{-5} [kg] となります。
  3. アインシュタインの式を用いてエネルギーを求めます。E=(3.15×10−5)×(3×108)2=2.835×1012E = (3.15 \times 10^{-5}) \times (3 \times 10^8)^2 = 2.835 \times 10^{12} [J] となります。これを単位換算して 2.835×1092.835 \times 10^9 [kJ] とします。
  4. 必要な重油の量を算出します。重油の発熱量は40000 [kJ/L] であるため、(2.835×109)/40000=70875(2.835 \times 10^9) / 40000 = 70875 [L] となります。単位を [kL] に直すと約 70.9 [kL] となり、選択肢のうち最も近い 70 が得られます。

燃料に含まれるわずかな質量成分が膨大なエネルギーへ変換される過程と、そのエネルギーを既存の燃料の熱量に置き換える計算式を重ねてみると、原子力のエネルギー密度の高さが見えてきます。

参考リンク

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