第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問120
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令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問120 解説 問12 問12

設問図

問12 図のように, 異なる2種類の金属A, Bで一つの閉回路を作り, その二つの接合点を異なる温度に保てば, (ア) 。この現象を (イ) 効果という。上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして, 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) 電流が流れる ホール
  2. (2) 抵抗が変化する ホール
  3. (3) 金属の長さが変化する ゼーベック
  4. (4) 電位差が生じる ペルチエ
  5. (5) 起電力が生じる ゼーベック ✓ 正答

解説

異なる2種類の金属の接合点に温度差を与えることで回路内に熱起電力が生じ、その結果として電流が流れる現象はゼーベック効果と呼ばれます。

ゼーベック効果の原理

ゼーベック効果は、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電効果の一種です。異なる2種類の金属(あるいは半導体)を接合し、その両端の接合点に温度差を与えると、金属内部の電子の拡散速度が温度によって異なるため、接合点間に電位差が生じます。この回路が閉じていれば、発生した起電力によって回路に電流が流れることになります。

この現象は、金属内部の自由電子が温度の高い方から低い方へ移動しようとする性質に関連しており、接合する金属の組み合わせによって発生する熱起電力の大きさや向きが異なります。

ゼーベック効果とペルチエ効果の判別

この問題で問われている現象を整理し、他の熱電効果と区別します。

  1. 二つの接合点に温度差を与えることで起電力が発生し、電流が流れる現象をゼーベック効果と呼びます。これは温度差から電気を取り出す現象です。
  2. これとは逆に、外部から回路に電流を流すと、接合点の一方が吸熱し、他方が放熱する現象をペルチエ効果と呼びます。これは電気を使って熱を移動させる(冷却や加熱を行う)現象です。
  3. 選択肢(1)や(2)にあるホール効果は、磁界中の導体に電流を流したときに、磁界と電流の両方に直交する方向に電位差が生じる現象であり、温度差とは無関係です。

問題文で「二つの接合点を異なる温度に保つ」という条件が与えられていることから、温度差をきっかけとして電力を得るゼーベック効果の定義と合致することが確認できます。

金属の接合箇所における熱の偏りと電子の動きを重ねてみると、回路全体に流れるエネルギーの方向が見えてきます。

参考リンク

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