コンデンサAの蓄積エネルギーがコンデンサBの蓄積エネルギーの約0.83倍となるのは、Aが誘電体を直列に積層した構造で合成静電容量が小さく見積もられるのに対し、Bは誘電体を並列に並べた構造で合成静電容量が大きくなるためです。
コンデンサの構造と合成静電容量の考え方
平行板コンデンサの静電容量 C は、極板の面積を S、極板間の距離を d、誘電率を ε とすると、C=εS/d で表されます。誘電体が複数ある場合、それらの配置によって合成静電容量の計算方法が異なります。
誘電体が極板に対して垂直に積層されている場合、各誘電体は直列に接続されているとみなします。このとき、合成静電容量の逆数は各層の静電容量の逆数の和となります。一方、誘電体が極板と平行に配置されている場合、各誘電体は並列に接続されているとみなします。このとき、合成静電容量は各誘電体部分の静電容量の単純な和となります。また、コンデンサに蓄えられるエネルギー W は、静電容量 C と印加電圧 V を用いて W=21CV2 と表されます。
コンデンサAのエネルギー計算
コンデンサAは、厚さ d/6,d/3,d/2 の3つの誘電体が直列に積み重なっています。それぞれの静電容量を CA1,CA2,CA3 とすると、誘電率が 2ε0,3ε0,6ε0 であるため、
CA1=d/62ε0S=d12ε0S
CA2=d/33ε0S=d9ε0S
CA3=d/26ε0S=d12ε0S
となります。これらを直列接続した合成静電容量 CA の逆数は、
CA1=12ε0Sd+9ε0Sd+12ε0Sd=36ε0S3d+4d+3d=36ε0S10d=18ε0S5d
となり、CA=5d18ε0S です。したがって、エネルギー WA は
WA=21⋅5d18ε0S⋅V2=5d9ε0SV2 となります。
コンデンサBのエネルギー計算
コンデンサBは、面積が S/6,S/3,S/2 に分割された誘電体が並列に配置されています。それぞれの静電容量を CB1,CB2,CB3 とすると、
CB1=d2ε0(S/6)=3dε0S
CB2=d3ε0(S/3)=dε0S
CB3=d6ε0(S/2)=d3ε0S
となります。これらを並列接続した合成静電容量 CB は、単純な和として
CB=(31+1+3)dε0S=313⋅dε0S
となります。したがって、エネルギー WB は
WB=21⋅313⋅dε0SV2=613⋅dε0SV2 です。
最後に、比 WA/WB を求めると
WBWA=13/69/5=59×136=6554≈0.83
となります。
極板間の誘電体の層や面積の分割をあらためて眺めてみると、直列接続による静電容量の減少と並列接続による増加の対比が鮮明に浮かび上がってきます。
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