令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問60 解説 問6 問6
問6 図のような直流回路において, 3Ωの抵抗を流れる電流の値[A]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 0.35
- 0.45
- 0.55
- 0.65
- 0.75 ✓ 正答
解説
3Ωの抵抗を流れる電流は、回路中央のノードにミルマンの定理を適用して算出される電圧と、抵抗にかかる電位差の関係から0.75Aとなります。
ミルマンの定理による回路解析
ミルマンの定理は、複数の電源と抵抗が並列に接続された回路において、その並列接続点の電圧を一括して求めるための便利な法則です。この定理を用いることで、複雑な網目状の回路であっても、接続点の電位を簡潔に決定できます。
定理の基本的な考え方は、回路の各枝(ブランチ)の「電圧源と抵抗の直列接続」を「電流源と抵抗の並列接続」とみなして、全体の合成コンダクタンスで全体の電流の和を除するものです。この回路では、電源と抵抗が並列に集まる中央のノードを基準点として、その電位を求めることで各枝に流れる電流を個別に把握することが可能となります。
回路の電圧算出と電流の決定
- 中央のノード(上側の線)の電圧を [V]、下側の基準線(接地側)を0Vとします。
- 左側の枝には4Vの電圧源と3Ωの抵抗が直列に接続されています。中央のノードから見ると、この枝には [A] の電流が流れ出しています。
- 右側の枝には5Ωの抵抗が接続されており、ここには [A] の電流が流れ出しています。
- 中央のノードには、上向きに2Aの電流源が接続されています。キルヒホッフの電流則より、ノードから流れ出る電流の和は流入する電流と等しくなるため、以下の式が成立します。
- この式を整理します。両辺を15倍すると となり、 を経て となります。これより、 [V] が得られます。
- 3Ωの抵抗を流れる電流 は、ノードの電圧を用いて と表せるため、代入すると [A] となります。
回路図の中央ノードに集まる電流のバランスと、各枝の両端にかかる電圧の差を重ねてみると、電流の行き先が見えてきます。