第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問90
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令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問90 解説 問9 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 大問9

設問図

問9 単相変圧器の一次側に電流計,電圧計及び電力計を接続して,二次側を短絡し,一次側に定格周波数の電圧を供給し,電流計が 40 A を示すよう一次側の電圧を調整したところ,電圧計は 80 V,電力計は 1 200 W を示した。この変圧器の一次側からみた漏れリアクタンス [Ω] の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,電流計,電圧計及び電力計は理想的な計器であるものとする。

  1. 1.28
  2. 1.85 ✓ 正答
  3. 2.00
  4. 2.36
  5. 2.57

解説

単相変圧器の二次側を短絡して測定した電圧、電流、および有効電力の値から、短絡インピーダンスの構成要素である抵抗分を差し引くことで、漏れリアクタンスの値として1.85Ωが導かれます。

変圧器の短絡試験と等価回路

変圧器の一次側から見た特性を考える際、内部の巻線抵抗や漏れ磁束によるインダクタンスをひとまとめにした「短絡インピーダンス」を用いると計算が容易になります。二次側を短絡した状態で行う「短絡試験」では、変圧器の定格電流を流すために必要な電圧が非常に小さいため、鉄損を無視して短絡インピーダンスのみを直列に接続した回路として扱うことができます。

このインピーダンスは、抵抗成分 RR とリアクタンス成分 XX が直列に接続されたものとみなせます。ここで用いられる「オームの法則」および電力の式に基づき、測定値からこれらの要素を切り分けることが可能です。

漏れリアクタンスの算出手順

  1. 短絡インピーダンスの大きさを算出します。 測定した一次側電圧を V=80 [V]V = 80 \, \mathrm{[V]}、電流を I=40 [A]I = 40 \, \mathrm{[A]} とすると、インピーダンスの大きさ ZZ は次のように求められます。 Z=VI=8040=2.00 [Ω]Z = \frac{V}{I} = \frac{80}{40} = 2.00 \, \mathrm{[\Omega]}

  2. 等価回路の抵抗分を算出します。 短絡試験で電力計が示す値 P=1200 [W]P = 1200 \, \mathrm{[W]} は、主に巻線の抵抗成分による損失(銅損)を表しています。この抵抗成分を RR とすると、P=I2RP = I^2 R の関係から次のように求められます。 R=PI2=1200402=12001600=0.75 [Ω]R = \frac{P}{I^2} = \frac{1200}{40^2} = \frac{1200}{1600} = 0.75 \, \mathrm{[\Omega]}

  3. 漏れリアクタンスを決定します。 インピーダンス ZZ、抵抗 RR、およびリアクタンス XX の間には、直角三角形の斜辺と隣辺の関係である Z2=R2+X2Z^2 = R^2 + X^2 が成立します。これよりリアクタンス XX は次のように計算されます。 X=Z2−R2=2.002−0.752=4−0.5625=3.4375≈1.854 [Ω]X = \sqrt{Z^2 - R^2} = \sqrt{2.00^2 - 0.75^2} = \sqrt{4 - 0.5625} = \sqrt{3.4375} \approx 1.854 \, \mathrm{[\Omega]}

短絡インピーダンスの全体像に目を向け、そこから抵抗分を差し引くと、漏れリアクタンスが実数として浮かび上がってきます。

参考リンク

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