令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問130 解説 問13 問 13
問13 こう長 20 km の三相 3 線式 2 回線の送電線路がある。受電端で 33 kV, 6 600 kW, 力率 0.9 の三相負荷に供給する場合, 受電端電力に対する送電損失を 5 %以下にするための電線の最小断面積の値[mm^2]として, 計算値が最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 使用電線は, 断面積 1 mm^2, 長さ 1 m 当たりの抵抗を 1/35 Ωとし, その他の条件は無視する。
- 14.3
- 23.4
- 24.7
- 42.8 ✓ 正答
- 171
解説
受電端電力が6600 kW、力率0.9、受電端電圧33 kVの条件下で、送電損失を受電端電力の5%以下に抑えるには、電線の断面積を42.8 mm^2以上にする必要があります。
送電損失と電線抵抗の関係
送電線における電力損失は、電流が電線を流れる際に発生する熱エネルギーとして失われます。三相交流回路において、ある1回線に流れる電流を [A]、電線1本の抵抗を [Ω]とすると、3相分の損失 は [W] と表されます。これはジュール熱の法則に基づく電力損失の基本式であり、送電線の断面積を大きくすることで抵抗 を小さくすれば、同じ電流値であっても損失を低減できるという性質を利用しています。
送電損失の計算手順
本問では2回線の送電線路が並列に使用されているため、負荷に供給される全電流が2回線に均等に分流されると仮定して計算を進めます。
受電端の負荷電流 [A] を求めます。三相電力の式 より、 [A] となります。
1回線あたりの電流 [A] を求めます。2回線並列であるため、 [A] となります。
許容される送電損失 [W] を算出します。受電端電力の5%以下と定められているため、 [W] となります。
抵抗 [Ω] と電線断面積 [mm^2] の関係を整理します。長さ [m]、断面積1 mm^2・長さ1 mあたりの抵抗が [Ω] であるため、電線1本あたりの抵抗は [Ω] となります。
損失の式に値を代入し、断面積 を求めます。 ここで、各回線は3線で構成されていますが、上記の損失式 は1回線(3線分)の損失を既に示しています。この条件を充足する最小の断面積を計算すると約42.8 mm^2となります。
送電線路の全長や力率、電圧の数値を再び式に当てはめると、断面積の変化がどのように損失へ影響を与えるかが見えてきます。