令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問130 解説 問13 問13
問13 図1は,静電容量C[F]のコンデンサとコイルからなる共振回路の等価回路である。このようにコイルに内部抵抗r[Ω]が存在する場合は,インダクタンスL[H]と抵抗r[Ω]の直列回路として表すことができる。この直列回路は,コイルの抵抗r[Ω]が,誘導性リアクタンスωL[Ω]に比べて十分小さいものとすると,図2のように,等価抵抗Rp[Ω]とインダクタンスL[H]の並列回路に変換することができる。このときの等価抵抗Rp[Ω]の値を表す式として,正しいのは次のうちどれか。ただし,Ic[A]は電流源の電流を表す。
- ωL/r
- r/(ωL)^2
- (ωL)^2/r ✓ 正答
- r^2/(ωL)
- r(ωL)^2
解説
内部抵抗 を持つコイルを並列等価回路に変換する際、誘導性リアクタンス が内部抵抗 に比べて十分に大きいという条件を用いることで、等価抵抗 は と表されます。
直列・並列回路の変換とQ値
交流回路において、ある周波数で直列回路と並列回路が同じインピーダンス特性を持つように変換することを回路の等価変換と呼びます。このとき、回路の損失の少なさを表す指標である品質係数(Q値)を基準にします。
Q値は、コイルに蓄えられる無効エネルギーと、抵抗で消費される有効エネルギーの比率として定義されます。 直列回路( と の直列)の場合、Q値はリアクタンスを抵抗で割った式 で表されます。 一方で、並列回路( と の並列)の場合、Q値は抵抗をリアクタンスで割った式 で表されます。
この両方の回路が等価であるということは、それぞれの回路でQ値が一致していることを意味します。この考え方は「直列・並列変換の公式」として利用されます。
変換式の導出プロセス
以下の手順で等価抵抗 を決定します。
直列回路のQ値を求める コイルの内部抵抗 が誘導性リアクタンス に比べて十分に小さいという条件のもと、直列接続時のQ値は となります。
並列回路のQ値を基準と比較する 並列接続時のQ値の定義式 を用います。直列と並列でエネルギーの損失率が等しくなるように変換するため、ステップ1で求めた値をこのQに代入します。
等価抵抗の式を整理する という関係式が得られます。この式を について解くと、両辺に を掛けて となり、最終的に が導かれます。
図1の直列接続された と の関係に、図2で並列に配置された の働きを重ねてみると、電流の経路におけるエネルギー消費のつり合いが見えてきます。