令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問140 解説 問14 問14
問14 電気計器に関する記述として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- クランプメータは、電線に流れる電流による磁界をはかることで電流が測定できるため、磁界が打ち消し合うように電線1本のみをクランプする。
- 電子電圧計は、増幅器と可動コイル形計器を組み合わせたもので、内部抵抗が小さく、電圧の測定範囲が数μVから100V程度である。
- ホイートストンブリッジは抵抗を精密に測定できる。 ✓ 正答
- 接地抵抗計は、屋内配線や機器などの絶縁抵抗を測定する。
- 絶縁抵抗計は、接地電極と大地との間の抵抗を測定する。
解説
ホイートストンブリッジは、未知の抵抗値を既知の抵抗値と平衡させることで精密に測定できるため、この選択肢が正しい記述となります。
電気測定におけるブリッジ回路の原理
ホイートストンブリッジは、4つの抵抗をひし形状に配置した回路です。向かい合う辺の抵抗の積が等しくなるとき、ブリッジの中間に設けた検流計に電流が流れなくなります。この状態を平衡状態と呼びます。未知の抵抗 に対して、既知の抵抗を調整して平衡状態を作り出すことで、未知の抵抗値を高い精度で算出できます。この手法は接触抵抗やリード線の抵抗の影響を排除できるため、精密な抵抗測定に適しています。
各種測定器と測定対象の関係
電気計器はそれぞれ測定原理や対象が明確に区分されています。
- クランプメータは、電線に流れる電流によって発生する磁界を、クランプの鉄心を通じて変流器のように取り出して測定します。複数の電線を一度にクランプすると磁界が打ち消し合うため、電流値を正しく測定するには電線1本のみをクランプする必要があります。
- 電子電圧計は、測定対象に影響を与えないよう、一般に内部抵抗を極めて大きく設計します。可動コイル形計器を駆動するために増幅器(アンプ)を組み合わせ、微小な電圧まで測定可能です。
- 接地抵抗計は、接地極と大地との間の接地抵抗を測定する専用の計器です。一方、絶縁抵抗計は、導体間や導体と大地間の絶縁の良否(絶縁抵抗)を測定するもので、高電圧を印加して測定を行います。
これらの計器は、測定対象とする電気的な物理量がそれぞれ異なることを押さえておく必要があります。
ホイートストンブリッジの平衡条件において、検流計の指針が零を指す様子を想像すると、抵抗値が精密に決定される仕組みが見えてきます。