第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問151
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令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問151 解説 問15(a) 問15

設問図

問15(a) 図の交流回路において, 回路素子は, インダクタンスLのコイル又は静電容量Cのコンデンサである。この回路に正弦波交流電圧v=500sin(1000t)[V]を加えたとき, 回路に流れる電流は, i=-50cos(1000t)[A]であった。このとき, 回路素子の値として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. C=10nF
  2. C=100nF
  3. C=10μF
  4. L=10mH ✓ 正答
  5. L=100mH

解説

電圧 v=500sin⁡(1000t) [V]v=500\sin(1000t) \text{ [V]} に対して電流 i=−50cos⁡(1000t) [A]i=-50\cos(1000t) \text{ [A]} は位相が 90∘90^\circ(π/2\pi/2)遅れているため、この回路素子はインダクタンス L=10mHL=10\text{mH} となります。

回路素子における電圧と電流の位相関係

交流回路において、コイル(インダクタンス LL)とコンデンサ(静電容量 CC)は、流れる電流の位相を電圧に対して変化させる性質を持っています。

コイルに流れる電流は、電圧に対して位相が常に 90∘90^\circ 遅れます。一方、コンデンサに流れる電流は、電圧に対して位相が 90∘90^\circ 進みます。この位相関係を数式で見極めるには、三角関数の性質を利用します。

今回の電流式 i=−50cos⁡(1000t)i = -50\cos(1000t) は、三角関数の公式 cos⁡(θ)=sin⁡(θ+π/2)\cos(\theta) = \sin(\theta + \pi/2) を用いて書き換えると、i=−50sin⁡(1000t+π/2)i = -50\sin(1000t + \pi/2) となります。さらにマイナスを中に入れると i=50sin⁡(1000t−π/2)i = 50\sin(1000t - \pi/2) と変形できます。電圧 v=500sin⁡(1000t)v = 500\sin(1000t) と比較すると、電流の位相が −π/2-\pi/2、つまり 90∘90^\circ 遅れていることが分かります。これにより、回路素子がコイルであることが確定します。

インダクタンスの算出

回路素子がコイルであると判明したため、誘導性リアクタンスの法則を用いて値を決定します。誘導性リアクタンス XL [\Omega]X_L \text{ [\Omega]} は、コイルのインダクタンス L [H]L \text{ [H]} と電源の角周波数 ω [rad/s]\omega \text{ [rad/s]} を用いて、XL=ωLX_L = \omega L と表されます。また、オームの法則と同様に、電圧の最大値 VmV_m と電流の最大値 ImI_m の比から XL=Vm/ImX_L = V_m / I_m と求められます。

  1. 電圧と電流の最大値を特定します。式より Vm=500 [V]V_m = 500 \text{ [V]}、Im=50 [A]I_m = 50 \text{ [A]} です。
  2. 誘導性リアクタンスを計算します。XL=500/50=10 [\Omega]X_L = 500 / 50 = 10 \text{ [\Omega]} です。
  3. 角周波数 ω\omega を確認します。電圧の式 v=500sin⁡(1000t)v=500\sin(1000t) において tt に掛かっている係数 10001000 が角周波数 ω\omega に相当します。
  4. 式 10=1000×L10 = 1000 \times L より、L=10/1000=0.01 [H]L = 10 / 1000 = 0.01 \text{ [H]} を導きます。
  5. 単位をミリヘンリーに変換すると、0.01 [H]=10mH0.01 \text{ [H]} = 10 \text{mH} となります。

回路素子のインダクタンス値がリアクタンスと角周波数の関係式に収まる様子を重ねてみると、電流の遅れと素子の特性が結びついて見えてきます。

参考リンク

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