令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問161 解説 問16(a) 問16
問16(a) 直流電流の測定範囲の拡大について、直流電流計Iの最大目盛は100A、直流電流計IIの最大目盛は50A、直流電流計IIIの最大目盛は50Aである。この3台の直流電流計を並列に接続し、ある回路に接続したところ、直流電流計Iの指示値は90A、直流電流計IIの指示値は40A、直流電流計IIIの指示値は35Aであった。この接続において計測できる最大電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 100
- 144
- 165
- 183 ✓ 正答
- 200
解説
直流電流計I、II、IIIを並列に接続した場合、各計器の指示値と内部抵抗の積である端子電圧が等しくなる性質を利用し、いずれか1つの計器が最大目盛に達した時点で全体の電流値が制限されるため、計算の結果、計測可能な最大電流値は183Aとなります。
並列接続における電圧と電流の性質
複数の電流計を並列に接続すると、各計器には共通の端子電圧が印加されます。オームの法則()に基づけば、各計器の指示値 と内部抵抗 の積()は、どの計器でも一定です。
このとき、回路全体に流れる電流 は各計器の指示値の合計となります。各計器の最大目盛を超えて電流を流すと故障の原因となるため、この接続において計測可能な最大電流は、いずれかの計器が先に最大目盛に到達したときの合計値によって決定されます。
最大計測電流の算出手順
内部抵抗の比を確認する 問題文の指示値(、、)から、各内部抵抗の比を求めます。 という関係から、各計器に流れる電流は、ある基準電圧に対して逆比例します。
各計器が最大目盛に達する条件を調べる 計器Iが最大目盛()に達したときの各計器の指示値を算出します。 計器IIの指示値は となり、最大目盛の を大きく超えるため、この状態は実現できません。同様に、計器IIIについても となり、最大目盛を超過します。
全体の最大電流を決定する どの計器が先に最大目盛に達するかを確認します。計器Iが最大目盛の に達する以前に、計器IIまたはIIIが最大目盛()に達してしまいます。 計器IIが に達したとき、計器Iは 、計器IIIは となり、計器IIIの を超えてしまいます。 最後に、計器IIIが に達したとき、計器Iは 、計器IIは となり、すべての計器が最大目盛以下となります。 したがって、計器Iを基準に考え、各計器の指示値の比率を維持したまま、計器Iが になるまでの各値の合計 が計測可能な上限となります。
並列接続における各計器の指示値の比率と、計器ごとの最大目盛の数値に注目してみると、全体の回路電流がどの計器によって制限されるのかが見えてきます。