令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問40 解説 問4 問4
問4 図のように, A, B 2本の平行な直線導体があり, 導体Aには1.2 Aの, 導体Bにはそれと反対方向に3 Aの電流が流れている。導体AとBの間隔がl[m]のとき, 導体Aより0.3m離れた点Pにおける合成磁界が零になった。lの値[m]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 導体A, Bは無限長とし, 点Pは導体A, Bを含む平面上にあるものとする。
- 0.24
- 0.45 ✓ 正答
- 0.54
- 0.75
- 1.05
解説
導体Aから0.3m離れた点Pにおいて、導体Aによる磁界と導体Bによる磁界の強さが等しく互いに打ち消し合う条件を立てることで、導体間の距離lが0.45mであると導かれます。
無限長直線電流がつくる磁界
無限長の直線導体に電流I [A]を流すと、導体から距離r [m]離れた点の磁界の強さH [A/m]は、次の式で表されます。
この式は、電流の大きさに比例し、距離に反比例して磁界が弱くなることを示しています。また、磁界はベクトル量であり、電流の向きによって決まる右ねじの法則に従った方向を持ちます。本問のように複数の電流が存在する場合、点Pにおける合成磁界は、各導体が個別に作る磁界ベクトルの和となります。
合成磁界が零となる距離の算出
点Pで合成磁界が零になるという条件に基づき、以下の手順で導体間の距離lを求めます。
導体Aによる磁界の強さH_Aを求めます。点Pは導体Aから0.3m離れているため、電流1.2Aを用いて、 となります。
導体Bによる磁界の強さH_Bを求めます。導体AとBの間隔はl[m]であり、点Pは導体Aからさらに外側に0.3m離れた位置にあるため、導体Bからの距離は(0.3 + l)[m]となります。電流3Aを用いて、 となります。
点Pで合成磁界が零になるためには、逆向きの磁界が発生している導体Aと導体Bによる磁界の大きさが等しくなければなりません。 となる条件式を立てると、 です。
両辺の2πを消去し、比例関係を整理します。 となり、左辺を計算すると です。この式を解くと、、すなわち となり、 から が得られます。
導体A、Bそれぞれの位置と、電流が流れる向きによる磁界の回転方向を重ねてみると、点Pで磁界が打ち消し合う様子が見えてきます。