平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問5 解説 トレーサビリティ
トレーサビリティに該当する事例として, 適切なものはどれか。
- ア インターネットやWebの技術を利用して, コンピュータを教育に応用する。
- イ 開発部門を自社内に抱えずに, 開発業務を全て外部の専門企業に任せる。
- ウ 個人の知識や情報を組織全体で共有し, 有効に活用して業績を上げる。
- エ 肉や魚に貼ってあるラベルをよりどころに生産から販売までの履歴を確認できる。 ✓ 正答
解説
正解の判断根拠
トレーサビリティ(Traceability)の語源は、Trace(追跡する)とAbility(可能性)を組み合わせた造語で、「追跡可能性」と訳されます。選択肢の中から「履歴を追跡・確認できる」というキーワードが含まれるものを選ぶのが正解への最短ルートです。
トレーサビリティとは何か
トレーサビリティとは、製品や部品がいつ、どこで、どのように作られ、どのような経路をたどって消費者の手元に届いたのかを、記録・追跡できる仕組みのことです。
食品分野においては、BSE問題や産地偽装問題が発生した際、どの農場や漁場から出荷されたものかを特定するために不可欠な概念として広く知られるようになりました。ITの仕組みとしては、データベースを使って製造ロットや流通経路の情報を管理し、QRコードやバーコードを読み取ることで誰でも簡単に履歴を確認できるシステムが一般的です。
誤った選択肢の解説
この問題は、ITパスポートで頻出する「カタカナ用語」を正確に理解しているかを問うものです。他の選択肢は、それぞれ別のIT用語や経営手法を指しています。
・ア:eラーニング(e-learning)のことです。インターネットを活用した学習形態を指します。 ・イ:アウトソーシング(Outsourcing)のことです。自社の業務の一部や全部を外部の専門企業に委託する経営手法です。 ・ウ:ナレッジマネジメント(Knowledge Management)のことです。個人の持つ知識やノウハウを組織全体で共有し、生産性を高める手法です。
なぜこの知識が重要なのか
現代のビジネスにおいて、企業は「信頼性」を売らなければなりません。もし品質不良や異物混入といったトラブルが起きた際、トレーサビリティが確保されていれば、対象となる製品をピンポイントで特定して迅速に回収(リコール)できます。
ITパスポート試験では、単に言葉の意味を覚えるだけでなく、それが「リスク管理」や「社会的な信頼構築」にどう寄与するかという文脈で理解しておくことが、他の関連用語(ガバナンスやリスク管理など)の習得にもつながります。