平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問21 解説 システム化計画のプロセス
システム化計画の立案はソフトウェアライフサイクルのどのプロセスに含まれるか。
- 運用
- 開発
- 企画 ✓ 正答
- 要件定義
解説
解き方のポイント
ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)の全体像において、開発プロジェクトが始まる前の段階を見極めるのがコツです。システム化計画は「何のために、どのようなシステムを作るか」という構想を練る作業であるため、システムを実際に作り始める前の「企画」段階に該当すると判断します。
ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)の基本
ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP:Software Life Cycle Process)とは、ソフトウェアの企画から廃棄に至るまでの流れを標準化したものです。JIS(日本産業規格)で定義されており、大きく分けて以下のプロセスがあります。
- 企画プロセス:システム化の目的や全体像を計画する
- 要件定義プロセス:システムで何を実現するか、具体的な機能や性能を決める
- 開発プロセス:システムを実際に設計し、プログラムを作成(実装)し、テストする
- 運用・保守プロセス:システムを稼働させ、必要に応じて改修を行う
今回の問題である「システム化計画の立案」は、まだシステムそのものの形が具体化する前の段階です。経営課題を解決するためにどのようなIT投資が必要か、費用対効果はどうか、といった投資判断を行うプロセスであるため、企画プロセスに分類されます。
実務における重要性
この知識は、ITエンジニアだけでなく、ITを活用してビジネスを改善する立場の人にとっても重要です。
実際のプロジェクト現場では、企画プロセスが不十分なまま開発に進んでしまうと、完成後に「業務と合わない」「期待していた効果が得られない」といった重大な問題が発生します。そのため、このプロセスでは、システム導入の目的(何を解決したいのか)や、費用対効果、リスクの評価といった「上流の判断」が求められます。
ITパスポート試験でこの範囲を学ぶことは、開発プロセス(プログラミングなど)だけがITの仕事ではなく、その前段階である経営とのすり合わせこそがシステムの成功を左右するという「ビジネス視点」を養うことにつながります。
プロセス区分と役割の違い
選択肢にあった他のプロセスについても整理しておくと理解が深まります。
- 企画:目的の決定と投資判断
- 要件定義:利用者側の要求(何をさせたいか)を技術仕様に落とし込む
- 開発:要件をもとに実際にシステムを構築する
- 運用:安定稼働と継続的な改善を行う
それぞれのプロセスの境目を意識することで、どの段階で何を決めるべきかという、プロジェクト管理の基礎能力が身につきます。
参考リンク
- 【ITパスポート】ソフトウェアライフサイクルプロセスをわかりやすく解説
- 【Zenn】要件定義・企画の失敗を防ぐためのプロジェクト初期設計の考え方
- 【IPA】ソフトウェアライフサイクルプロセスの標準(JIS X 0160)(検索窓で規格番号を入力して確認可能なデータベース)