平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問22 解説 BPMの特徴
BPM(Business Process Management)の特徴として,最も適切なものはどれか。
- 業務課題の解決のためには,国際基準に従ったマネジメントの仕組みの導入を要する。
- 業務の流れをプロセスごとに分析整理し,問題点を洗い出して継続的に業務の流れを改善する。 ✓ 正答
- 業務プロセスの一部を外部の業者に委託することで効率化を進める。
- 業務プロセスを抜本的に見直してデザインし直す。
解説
BPMの定義を見抜くポイント
BPM(Business Process Management)の正体は「継続的な業務改善」です。問題文からキーワードを抜き出す際、「継続的」や「プロセス」という言葉が含まれているかどうかが最大の判断基準になります。選択肢の中で、業務の流れを可視化し、分析を経て改善を繰り返すというサイクル(PDCAサイクル)に言及しているものが正解となります。
BPMの基本概念と目的
BPMは、組織の業務プロセスを可視化し、それを継続的に改善していくための手法です。単に一度だけ見直して終わりにするのではなく、以下のサイクルを繰り返すことで、組織のパフォーマンスを最大化させることを目的としています。
- 可視化(プロセスを洗い出し、図式化する)
- 分析(ボトルネックや無駄な工程を見つける)
- 設計(改善策を考え、プロセスを最適化する)
- 実行(新しいプロセスを現場で運用する)
- 評価(成果を測定し、再び可視化に戻る)
この手法の肝は、業務を属人化させず、客観的なデータに基づいて常に最適解を追い求める点にあります。
なぜ他の選択肢は間違いなのか
それぞれの選択肢には、BPMと混同しやすい別の用語が隠れています。
・国際基準に従ったマネジメントの仕組み:これはISOなどのマネジメントシステム(QMSやISMSなど)に関する記述です。 ・業務プロセスの一部を外部に委託:これはアウトソーシング(BPO:Business Process Outsourcing)の説明です。 ・業務プロセスを抜本的に見直してデザインし直す:これはBPR(Business Process Reengineering)の定義です。BPRは「再構築」であるため、BPMのような継続的な改善ではなく、一度の大きな変革を指します。
実務における活用の意義
ITパスポート試験でこの知識が問われるのは、IT部門やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の現場において、システムを導入するだけでは業務改善が完結しないことを理解するためです。
例えば、新しい会計システムを入れる際に、既存の非効率な業務フローをそのままデジタル化しても、劇的な効果は得られません。BPMの考え方を使って「この工程は本当に必要なのか」「もっとシンプルにできないか」とプロセス自体を整理してからシステムを導入することで、初めてIT投資の効果が最大化されます。現代のビジネス環境において、ITツールを使いこなすための前提知識としてBPMは極めて重要です。