平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問41 解説 システムの可用性
システムの能力や品質をあらわすものとして,可用性,性能,データの一貫性,保守性などがある。可用性に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア 関連するデータを整合性のある状態に保つこと
- イ システムに指示を与えてから結果が得られるまでの時間
- ウ システムに障害が発生しても,機能を利用できる度合い ✓ 正答
- エ プログラムの変更のしやすさの度合い
解説
選択肢の判断ポイント
この問題は、ITシステムの評価指標である「非機能要件」の定義を問うものです。可用性(Availability)という言葉には「いつでも使えること」という意味があるため、障害発生時でもサービスを止めない性質、すなわち「継続して利用できる度合い」を指す選択肢を選びます。
他の選択肢は、それぞれ別の評価指標を説明しています。
- ア:データの一貫性(Integrity)の説明です。
- イ:性能(Performance)、特に応答時間(レスポンスタイム)の説明です。
- エ:保守性(Maintainability)の説明です。
非機能要件とは何か
システム開発において、機能要件が「何ができるか」を指すのに対し、可用性や性能などは「どの程度の品質で動くか」を示す非機能要件と呼ばれます。ITパスポート試験では、これらの指標を正確に区別できることが非常に重要です。
特に可用性は、現代のIT社会において極めて重要視されています。例えば、ECサイトが数分停止するだけで多額の損失が発生したり、銀行のシステムが止まれば生活が立ち行かなくなったりするためです。可用性を高めるためには、サーバーを二重化して一方が故障してももう一方でカバーする(冗長化)といった技術が使われます。
実務における可用性の考え方
実際の現場では、可用性を測るために「稼働率」という指標が使われます。これはシステムが一定期間のうち、どれくらいの時間正常に稼働していたかを示す割合です。
例えば、クラウドサービス(AWSやAzureなど)の仕様書には「稼働率 99.99%(フォーナイン)」といった記載がよく見られます。これは、1年間のうち停止時間が合計で約53分以内に収まることを保証する、という約束事です。ITエンジニアはこの数値目標を達成するために、適切な機器の選定やバックアップ体制の構築を行っています。試験で問われる知識は、こうした「止まらないシステムを作るための基礎知識」として日常的に活用されています。