ITパスポート試験 / 平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問42
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平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問42 解説 WBSの要素分解

システム開発プロジェクトのWBS作成における要素分解に関する説明として,適切なものはどれか。

  1. ア システム開発の成果物を作成するために必要なコストや所要時間を見積もることができ,それらが管理できるレベルまで要素分解をすることが望ましい。 ✓ 正答
  2. イ システム開発を外部に発注する場合は,成果物を発注先が作成するので成果物の要素分解を全て発注先に一任する。
  3. ウ プロジェクトの進捗報告会議はコミュニケーション手段なので要素分解の対象としない。
  4. エ 類似システムの開発経験があれば,新たに要素分解をしなくてもよい。

解説

解答のポイント

この問題は、WBS(作業分解構成図)の目的を正しく理解しているかを問うものです。WBSの本質は「プロジェクトを管理可能な最小単位まで分解すること」にあります。管理可能な単位とは、具体的には「誰が何をすべきか」「どれくらいのコストと時間がかかるか」が誰の目にも明確に判断できるレベルを指します。選択肢ア以外の選択肢は、プロジェクト管理の責任放棄や怠慢につながる誤った考え方であるため、消去法で絞り込むことができます。

WBSとは何か

WBSはWork Breakdown Structureの略称で、日本語では「作業分解構成図」と呼ばれます。プロジェクトで実施すべき作業を、上位から下位へと階層的に細分化していく手法です。

大きな成果物(例:システム開発)をいきなり「完了させる」ことは不可能です。そこで、まずは「要件定義」「設計」「実装」「テスト」といった大きなフェーズに分け、さらにそこから「画面設計」「データベース設計」といった具体的なタスクにまで細かく砕いていきます。このように階層構造を作ることで、全体のボリュームを可視化できます。

なぜ細分化が重要なのか

管理可能なレベルまで要素分解することには、主に以下の3つのメリットがあります。

  1. コストと期間の精度向上:作業が小さければ小さいほど、その作業に必要な工数(人月)や予算、期間を見積もる誤差が小さくなります。
  2. 責任の所在の明確化:タスクが細分化されることで、担当者を割り当てやすくなります。誰がどのタスクを完了させるべきかが明確になれば、進捗が滞った際の原因特定も迅速になります。
  3. 進捗の可視化:大きな塊のままでは進捗率が「50%」といった曖昧な状態になりがちですが、細分化していれば「10個のタスクのうち8個完了した」という客観的な進捗報告が可能になります。

教育的意図と実務での活用

この問題は、プロジェクトマネジメントにおける「管理の基本」を問うています。

選択肢イのように「全て外部に任せる」という姿勢は、発注者側がプロジェクトの進捗を監視する権利と義務を放棄していることと同義です。また、選択肢ウの会議やエの類似案件の使い回しについても、プロジェクトごとに環境やメンバー、リスクは異なるため、個別に要素分解を行うのがプロフェッショナルとしての適正な手順です。

実務においては、ITパスポートの試験範囲を超えて、PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)などの専門的な領域でも「分解の粒度」は非常に重要視されます。細かすぎれば管理コストが増大し、粗すぎればリスクが見えなくなるというトレードオフを理解し、プロジェクトの規模に応じた適切なレベル感で分解するスキルが求められています。

参考リンク

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