平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問47 解説 リバースエンジニアリング
リバースエンジニアリングの説明として,適切なものはどれか。
- ア 確認すべき複数の要因をうまく組み合わせることによって,なるべく少ない実験数で効率的に実験を実施する手法
- イ 既存の製品を分解し,解析することによって,その製品の構造を解明して技術を獲得する手法 ✓ 正答
- ウ 事業内容は変えないが,仕事の流れや方法を根本的に見直すことによって,最も望ましい業務の姿に変革する手法
- エ 製品の開発から生産に至る作業工程において,同時にできる作業を並行して進めることによって,期間を短縮する手法
解説
この問題は用語の定義を直接問う知識問題です。「リバース(Reverse:逆)」と「エンジニアリング(Engineering:工学・設計)」という言葉の組み合わせから、本来の製造工程とは逆向きに辿るプロセスをイメージすれば正解のイを選べます。
リバースエンジニアリングとは
リバースエンジニアリングとは、完成した製品やソフトウェアを分解・解析し、その仕組みやソースコード、製造工程などを明らかにすることを指します。通常、製造は設計図から製品を作る工程ですが、その逆を行って「製品から設計図を再現する」手法であると理解しましょう。
ITの現場では、古いシステムの仕様書が残っていない場合に、動作しているプログラムを解析して仕様を把握するために使われることがあります。また、競合製品の技術を分析して自社開発の参考にしたり、セキュリティの分野でマルウェアの挙動を調査したりする際にも不可欠な手法です。
各選択肢の解説
他の選択肢は、試験で頻出する別の開発・管理手法を説明しています。これらもあわせて覚えることが合格への近道です。
ア:直交表などを用いて、最小限のテストケースで最大の効果を得る「実験計画法」の説明です。品質管理や工程改善の場面で使われます。 ウ:既存のビジネスプロセスを根本から再構築する「BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)」の説明です。リバースエンジニアリングと「エンジニアリング」という言葉が共通していますが、目的が異なります。 エ:設計や生産の工程を並行して進めることで、製品開発期間を短縮する「コンカレントエンジニアリング」の説明です。
実務や試験での重要性
リバースエンジニアリングは強力な技術である一方、知的所有権や著作権との境界線が非常に重要です。他社の製品を解析する際は、契約条件(EULAなど)や法律に抵触しないよう細心の注意が必要です。
ITパスポート試験では、このような「特定の専門用語が、どのような状況で使われるものか」という文脈を理解しておくことが重要です。似たようなカタカナ語が多いため、単なる暗記ではなく「それは何をするための手法なのか?」という目的を意識して整理しておきましょう。