ITパスポート試験 / 平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問87
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平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問87 解説 オペレータの勤務最適化

設問図

電話受付センタのオペレータの勤務形態は,図2に示すように勤務時間によって 四つのパターンに分けられている。Yさんは,電話受付センタを集約することに よって削減可能なオペレータの人数を試算することにした。表1のように,電話受付 センタ集約後に時間帯A〜Dの各時間帯で最低限必要な人数を設定したとき,オペレ ータに掛かる費用を最小化するために考慮すべき条件として,適切でないものはど れか。 〔前提〕 (1) オペレータ1人に掛かる費用は,“時間給×勤務時間”で算出する。 (2) オペレータの時間給は,どの勤務パターンでも同じである。 (3) どの勤務パターンでも最低1人はオペレータがいるものとする。 図2 勤務時間別パターン一覧 表1 時間帯別の最低必要人数

  1. P1〜P4は1以上であること
  2. Q1〜Q4の合計よりもP1〜P4の合計が大きいこと ✓ 正答
  3. 勤務パターンごとの“時間給×勤務時間×人数”の総和が最小になること
  4. 時間帯別の勤務中のオペレータの人数は最低必要人数を満足すること

解説

この問題は、数理最適化の考え方、特に「線形計画問題」の定式化を問うものです。不適切な選択肢を見つけるには、計算の目的(費用最小化)と、守るべきルール(制約条件)を整理して、選択肢の内容が「論理的に正しい制約」かどうかを判断します。

問題の解き方:制約条件の本質を見極める

この問題で求められているのは「費用を最小化するための条件」です。この条件には、次の2つの要素が含まれている必要があります。

  1. 目的関数:何を最小化するか(ここではオペレータ費用の総和)。
  2. 制約条件:必ず守らなければならないルール(最低必要人数を満たすこと、人数が正であることなど)。

選択肢を一つずつ照らし合わせると、「Q1〜Q4の合計よりもP1〜P4の合計が大きいこと」という選択肢が不適切であることがわかります。なぜなら、各時間帯の必要人数(Q)を満たすために各勤務パターンの人数(P)をどう割り振るかが重要であり、Pの単純な合計数とQの単純な合計数に直接的な大小関係のルールは存在しないからです。例えば、ある勤務パターンが複数の時間帯をカバーする場合、その人数は複数の時間帯の必要人数に貢献するため、単純比較は意味を成しません。

数理モデルによる最適化の考え方

この問題の背景には、経営や現場運営を効率化するための「線形計画法」という手法があります。今回の事例を数式化すると、以下のようになります。

・目的関数(最小化したい対象): TotalCost=(P1×Cost1)+(P2×Cost2)+(P3×Cost3)+(P4×Cost4)TotalCost = (P1 \times Cost1) + (P2 \times Cost2) + (P3 \times Cost3) + (P4 \times Cost4) ※Costは各パターンの勤務時間に応じた費用

・制約条件(守るべきルール): 時間帯A:P1Q1P1 \geqq Q1 時間帯B:P1+P2Q2P1 + P2 \geqq Q2 時間帯C:P1+P2+P3Q3P1 + P2 + P3 \geqq Q3 時間帯D:P2+P3+P4Q4P2 + P3 + P4 \geqq Q4 その他:P1,P2,P3,P4P1, P2, P3, P4 はすべて1以上の整数

このように、「コストを最小にしつつ、各時間帯の要求を満たす」というモデルを立てることで、手作業や勘に頼らず、最適な人員配置を導き出すことができます。

実社会における活用の意義

この考え方は、ITパスポートで扱うようなシステム開発や業務改善の現場で頻繁に活用されます。

例えば、コールセンターだけでなく、工場のシフト作成、コンビニのスタッフ配置、あるいは物流倉庫におけるトラックの配車計画などが典型例です。限られた資源(人や時間)をどのように配分すれば無駄なコストを抑えつつ最大の成果(サービスレベルの維持)が出せるかという計算は、現代のITシステムにおいて「最適化アルゴリズム」として組み込まれています。

試験では、単純な計算問題だけでなく、このように「現実の業務を数式や論理モデルに落とし込む力」が求められます。複雑な条件を整理し、何が目的で、何が制約(=守らなければならない範囲)なのかを切り分ける習慣をつけておくと、実務でも非常に役立ちます。

参考リンク

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