ITパスポート試験 / 平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問89
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平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問89 解説 製造原価の比較

案Aと案Bのどちらで製品Hの製造原価が低くなるのかは,製品Hの製造台数によって異なる。案Bの製造原価が案Aの製造原価より低くなるのは,月間製造台数が何台を超える場合か。

  1. ア 120
  2. イ 300
  3. ウ 400
  4. エ 600 ✓ 正答

解説

この問題は、2つの案の製造原価が等しくなる製造台数(損益分岐点)を求めることで解決できます。製造原価を算出する式「固定費 + 変動費 × 台数」を両方の案で立て、それらが等しくなる条件を方程式で導き出します。

製造原価を数式で表す

まず、問題文から与えられた数値を用いて、製造台数を xx としたときの各案の製造原価を整理します。

案Aの原価:300,000+1,000x300,000 + 1,000x 案Bの原価:600,000+500x600,000 + 500x

案Bの方が安くなる条件(案B < 案A)を数式で表すと以下のようになります。

600,000+500x<300,000+1,000x600,000 + 500x < 300,000 + 1,000x

この式を解いていきます。まず両辺から 500x500x を引くと、

600,000<300,000+500x600,000 < 300,000 + 500x

次に両辺から 300,000300,000 を引くと、

300,000<500x300,000 < 500x

最後に両辺を 500500 で割ると、

600<x600 < x

つまり、製造台数が600台を超えたとき、案Bの製造原価の方が安くなることがわかります。

固定費と変動費の考え方

この問題のポイントは、コスト構造を理解することです。

固定費とは、製品を1個も作らなくても発生する費用です。設備投資費や地代家賃などがこれにあたります。一方、変動費とは、製品を作る量に比例して増える費用です。原材料費や外注費などが該当します。

案Aのように「固定費が安く、変動費が高い」案は、製造数が少ないときに有利です。逆に、案Bのように「固定費が高く、変動費が安い」案は、大量生産を行うことで1個あたりのコストが下がるため、製造数が多いときに有利になります。

実務における意思決定

この考え方は、企業が新しい設備を導入したり、製造プロセスを変更したりする際の意思決定で頻繁に活用されます。

例えば、手作業で製品を作る方法(固定費が低いが、手間がかかるため変動費が高い)と、全自動ロボットを導入する方法(固定費が高いが、一度作れば変動費は非常に低い)のどちらを選ぶべきかという判断です。

将来の需要予測に基づき、この「損益分岐点」を計算することで、どちらの投資が最終的に利益につながるのかを客観的に導き出すことができます。ITパスポートで学ぶこの基礎理論は、現場での経営判断やコスト管理の第一歩となる重要な考え方です。

参考リンク

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