交流電力(単相・三相)
第二種電気工事士 筆記試験対策:交流電力(単相・三相)
このまとめは、第二種電気工事士試験における「交流電力(単相・三相)」の分野で、最低限理解しておくべき知識をコンパクトに整理したものです。
1. 交流電力の基本
a. 単相交流電力
- 皮相電力 (S): 電圧 (V) と電流 (I) の積。単位はボルトアンペア (VA)。回路全体にかかる見かけ上の電力。
- 式:
- 有効電力 (P): 実際に仕事をする電力。抵抗 (R) で消費される電力。単位はワット (W)。
- 式:
- 無効電力 (Q): コイルやコンデンサなどのリアクタンスで消費され、仕事にはならない電力。単位はバール (var)。
- 式:
- 電力三要素の関係: 電力三角形として表され、以下の関係が成り立ちます。
- 力率 (cos θ): 皮相電力に対する有効電力の割合。1に近いほど効率が良い。
- 式:
- 力率改善: コンデンサを並列に接続することで、無効電力を補償し力率を改善する。
b. 三相交流電力
三相交流の利点:
- 単相交流に比べて、同じ電力の伝送に必要な導体量が少なく経済的。
- 回転磁界を作りやすく、電動機の原理に適している。
結線方式:
- Y(スター)結線: 中性点(ニュートラル)があり、線間電圧と相電圧、線電流と相電流の関係が重要。
- Δ(デルタ)結線: 中性点がない。
相電圧 () と線間電圧 ()、相電流 () と線電流 () の関係:
結線方式 線間電圧と相電圧の関係 線電流と相電流の関係 Y結線 Δ結線 三相電力の計算:
- 有効電力 (P):
- 式:
- 皮相電力 (S):
- 式:
- 無効電力 (Q):
- 式:
- 有効電力 (P):
c. 三相不平衡(過去問 [src-q06] 関連)
- 三相回路で、各相の負荷や電流、電圧が不均一な状態。
- 断線などにより、一部の相にしか電流が流れなくなると、全体の消費電力は大きく減少する。
- Y結線で、中性線がない場合に、1線断線すると、残りの2線で負荷に電力が供給される。この時の消費電力は、断線前の となる場合が多い(負荷が抵抗の場合)。
2. 過去問から見る出題傾向とポイント
- 波形: 正弦波交流における電圧と電流の位相関係を理解する問題が出題されることがあります。[src-q04]
- 三相回路の計算: 線間電圧、線電流、相電圧、相電流の関係を理解し、電力計算ができるかが問われます。[src-q05 (lower), src-q05 (upper)]
- 力率: 有効電力、無効電力、皮相電力の関係から力率を計算する問題が出題されます。[src-q04 (upper)]
- 断線時の電力: 三相回路における断線事故時の電力変化について理解が求められます。[src-q06]
3. 重点的に復習すべき事項
- 単相・三相の電力計算式(有効電力、皮相電力、無効電力)。
- Y結線とΔ結線における電圧・電流の関係。
- 力率の定義と計算方法。
- 電力三要素(P, Q, S)の関係。
- 三相回路の断線に関する基本的な考え方。
これらの知識をしっかりと理解し、公式を使いこなせるように練習することで、交流電力に関する問題は克服できるはずです。頑張ってください!
過去問 (7問)
出典:令和6年度 下期 学科試験、令和7年度 下期 第二種 学科試験、令和7年度 上期 学科試験(一般財団法人 電気技術者試験センター)







