← 第二種電気工事士 配線工事の種類と施工方法

配線工事の種類と施工方法

第二種電気工事士試験「配線工事の種類と施工方法」最低限の知識

このまとめは、第二種電気工事士試験の「配線工事の種類と施工方法」に関する問題を解くために最低限必要な知識をコンパクトにまとめたものです。過去問の出題傾向を踏まえ、覚えるべき定義、数値、法則を中心に構成しました。


1. 配線工事の種類と特徴

工事の種類 主な特徴 適用場所・注意点
金属管工事 電線管(鋼製・合成樹脂製)に電線を通す工事。耐候性、耐食性、機械的強度が大きい。 金属製管:
- 薄鋼電線管: 比較的軽量で加工しやすい。コンビネーションカップリングは使用不可。
- 厚鋼電線管: 強度が高く、耐食性にも優れる。薄鋼管より太い電線が引ける。
- ねじなし電線管: ねじ切り不要で施工が容易。ねじなしボックスコネクタで接続。絶縁ブッシングの使用が必要。止めネジの締め付けに注意。[cite: 11-upper]
合成樹脂製管:
- 硬質塩化ビニル電線管: 耐食性、絶縁性に優れる。湿気の多い場所にも使用可能。[cite: 20-2025-lower]
- CD管: 可とう性があり、配線が容易。ただし、点検できない隠蔽場所での使用は制限される場合がある。[cite: 20-2025-lower]
- 金属製可とう電線管(1種・2種): 可とう性があるが、湿気の多い場所での1種の使用は不適切。[cite: 21-2025-lower]
共通:
- 管の曲げにはパイプベンダーを使用する。[cite: 13-2025-upper]
- 管相互の接続にはカップリング、管とボックスの接続にはボックスコネクタやロックナットを使用する。
- 地絡電流の流路となるため、D種接地工事が必要(管の長さ3m以下など、条件により省略可)。[cite: 21-2025-lower]
- 電磁的不平衡を生じないように、同一管内に挿入する電線に注意が必要。[cite: 23-2025-lower]
ライティングダクト工事 金属製や合成樹脂製のダクトに電線やケーブルを収める工事。 - 点検できない隠蔽場所での使用は、乾燥した場所であっても原則不適切。[cite: 20-2024-lower]
- 展開した場所で、乾燥した場所の壁面などに施設可能。[cite: 20-2025-lower]
ケーブル工事 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(VVF)など、被覆されたケーブルを使用する工事。 - VVFケーブル: 屋内配線で最も一般的に使用される。乾燥した場所の天井ふところ部などに使用可能。[cite: 20-2025-lower]
- CVケーブル: 耐候性、耐熱性に優れ、屋外や地中埋設にも使用可能。
- 支持点間距離:
- 造営材に沿って取り付ける場合: 2m以下(固定方法による)。[cite: 20-2025-upper]
- 支持金具等で支持する場合: 8m以下。[cite: 20-2025-upper]
- 屈曲部の内側の半径: 丸形ケーブルはケーブル外径の8倍以上。[cite: 20-2025-upper]
- 埋設: コンクリート壁の中に直接埋設可能。[cite: 20-2025-upper]
合成樹脂管工事 合成樹脂製の電線管(VE管、CD管、PF管など)に電線を通す工事。 - VE管: 硬質で耐候性・耐食性に優れる。湿気の多い場所にも使用可能。[cite: 20-2025-lower]
- CD管: 可とう性がある。点検できない隠蔽場所での使用は制限される場合がある。[cite: 20-2024-lower, 20-2025-lower]
- PF管: 可とう性があり、耐候性にも優れる。
- 施工: 合成樹脂管用カッターを使用する。[cite: 13-2025-upper]
- 点検できない隠蔽場所: 防湿措置を施せば、湿気の多い場所でも使用可能。[cite: 20-2024-lower]
金属線ぴ工事 金属製の線ぴ(レースウェイ)に電線やケーブルを収める工事。 - 壁などに固定して絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)を収める。[cite: 11-2025-lower]
- 照明器具などを直接取り付けて使用することはできない。
- 図で示す箇所などに使用される。[cite: 31-2025-lower]

2. 電線の接続方法

2.1 終端接続・分岐接続

  • 差込形コネクタ: VVF1.6mm電線4本まで、VVF2.0mm電線3本までなど、電線の種類と本数に応じて適切なコネクタを選定する。[cite: 43-2024-lower, 41-2025-lower, 43-2025-lower]
  • リングスリーブ:
    • 種類: 小、中、大。
    • 使用方法: 電線の太さ、本数に応じて適切なサイズのスリーブを選定し、圧着工具でかしめる。
    • かしめマーク: 工具の種類とスリーブのサイズにより、適切なマーク(刻印)がつくように使用する。[cite: 19-2025-lower]
    • 不適切な例:
      • 直径2.0mmの電線3本を中スリーブで接続する。[cite: 19-2024-lower]
    • 適正な組み合わせ例:
      • VVF1.6mm電線4本 → 小スリーブ(1個)[cite: 46-2025-lower]
      • VVF1.6mm電線5本 → 小スリーブ(1個)[cite: 46-2025-lower]
      • VVF1.6mm電線3本と2.0mm電線1本 → 中スリーブ(1個)[cite: 47-2025-lower]
      • VVF1.6mm電線2本と2.0mm電線1本 → 中スリーブ(1個)[cite: 47-2025-upper]
  • 絶縁処理: 接続部分の絶縁処理は、ビニルテープなどで確実に行う必要がある。リングスリーブ使用時は、絶縁キャップを被せた後、ビニルテープで巻く場合もあるが、巻かない場合もある(条件による)。[cite: 19-2024-lower]

2.2 接続の品質要件

  • 電線の接続部は、機械的に堅固であること。
  • 絶縁効力は、電線の絶縁物と同等以上であること。[cite: 19-2025-upper]
  • 電気抵抗が増加しないこと。[cite: 19-2025-upper]
  • 引張強さが著しく減少しないこと(10%程度まで)。[cite: 19-2025-upper]

3. 電気機器の施設と保護

  • 単相3線式100/200V: 住宅など、100Vと200Vの負荷が混在する場合に使用される。
  • 三相3線式200V: 電動機など、動力に使用される。
  • 過電流遮断器: 回路の過負荷や短絡から電線や機器を保護する。
  • 漏電遮断器: 地絡(漏電)が発生した場合に、感電や火災を防止する。過負荷保護付きのものもある。[cite: 21-2024-lower]
  • 開閉器: 回路の開閉を行う。単独で施設することは原則としてない(遮断器やヒューズと組み合わせて使用)。[cite: 21-2024-lower]
  • 機器の接続:
    • コンセント接続: 機器への着脱が容易になる。
    • 直接接続: 機器と電路を直接接続する。

4. その他

  • 造営材: 壁、天井、床などの建物本体を構成する材料。
  • 隠蔽場所: 点検できない天井裏や壁の中など。
  • 露出場所: 点検できる天井裏や壁の外など。
  • 乾燥場所・湿潤場所: 場所の湿度による区別。
  • 接触防護措置: 電線や機器に直接触れることがないように、覆いや格子などで保護すること。

この知識をベースに、過去問を解きながら、具体的な施工方法や注意点を理解していくことが合格への近道です。頑張ってください!

学習できたらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加

過去問 (22問)

11

多数の金属管が集合する場所等で,通線を容易にするために用いられるものは。

  1. イ. 分電盤
  2. ロ. プルボックス
  3. ハ. フィクスチュアスタッド
  4. ニ. スイッチボックス
19

600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形1.6mmを使用した低圧屋内配線工事で、絶縁電線相互の終端接続部分の絶縁処理として、不適切なものは。ただし、ビニルテープはJISに定める厚さ約0.2mmの電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープとする。

  1. イ. 差込形コネクタにより接続し、接続部分をビニルテープで巻かなかった。
  2. ロ. リングスリーブ(E形)により接続し、接続部分を黒色粘着性ポリエチレン絶縁テープ(厚さ約0.5mm)で半幅以上重ねて1回(2層)巻いた。
  3. ハ. リングスリーブ(E形)により接続し、接続部分をビニルテープで半幅以上重ねて1回(2層)巻いた。
  4. ニ. リングスリーブ(E形)により接続し、接続部分にリングスリーブ用の絶縁キャップを被せ、ビニルテープで巻かなかった。
20

使用電圧100Vの屋内配線の施設場所における工事の種類で、不適切なものは。

  1. イ. 点検できない隠ぺい場所であって、乾燥した場所のライティングダクト工事
  2. ロ. 点検できない隠ぺい場所であって、湿気の多い場所の防湿装置を施した合成樹脂管工事(CD管を除く)
  3. ハ. 展開した場所であって、湿気の多い場所のケーブル工事
  4. ニ. 展開した場所であって、湿気の多い場所の防湿装置を施した金属管工事
23

金属管工事による低圧屋内配線の施工方法として,不適切なものは。

  1. イ.太さ25mmの薄鋼電線管に断面積8mm²の600Vビニル絶縁電線3本を引き入れた。
  2. ロ.太さ25mmの薄鋼電線管相互の接続にコンビネーションカップリングを使用した。
  3. ハ.薄鋼電線管とアウトレットボックスとの接続部にロックナットを使用した。
  4. ニ.ボックス間の配管でノーマルベンドを使った屈曲箇所を2箇所設けた。
42

⑫で示すジョイントボックス内の接続をすべて圧着接続とする場合,使用するリングスリーブの種類と最少個数の組合せで,正しいものは。

選択肢図
  1. イ.
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.
43

⑬で示すVVF用ジョイントボックス内の接続をすべて差込形コネクタとする場合,使用する差込形コネクタの種類と個数の組合せで,正しいものは。ただし,使用する電線はすべてVVF1.6とする。

選択肢図
  1. イ.
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.
11

金属線ぴ工事に使用する金属製線ぴに関する記述として, 正しいものは。

  1. イ. 壁等に固定して絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)を収める。
  2. ロ. コンクリート床内に埋め込んで絶縁電線を収める。
  3. ハ. 本体と導体とが一体となった材料で, 照明器具等を直接取り付けて使用する。
  4. ニ. 天井等につるし, ケーブルを並べて支持するのに用いる。
19

低圧屋内配線工事で、600Vビニル絶縁電線(軟銅線)をリングスリーブ用圧着工具とリングスリーブ(E形)を用いて終端接続を行った。接続する電線に適合するリングスリーブの種類と圧着マーク(刻印)の組合せで、不適切なものは。

  1. イ. 直径2.0mm 3本の接続に、中スリーブを使用して圧着マークを中にした。
  2. ロ. 直径1.6mm 3本の接続に、小スリーブを使用して圧着マークを小にした。
  3. ハ. 直径2.0mm 2本の接続に、中スリーブを使用して圧着マークを中にした。
  4. ニ. 直径1.6mm 1本と直径2.0mm 2本の接続に、中スリーブを使用して圧着マークを中にした。
20

単相3線式100/200Vの電力が供給されている2階建て木造住宅の低圧屋内配線工事として、不適切なものは。

  1. イ. 乾燥した場所の天井ふところに、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形を用いた、ケーブル工事を行った。
  2. ロ. 乾燥した場所の点検口のある天井裏に、600Vビニル絶縁電線を合成樹脂製可とう電線管(CD管)に通線して、施工した。
  3. ハ. 湿気の多い場所の床下に、硬質ポリ塩化ビニル電線管による合成樹脂管工事を行った。
  4. ニ. 展開した場所で乾燥した場所の居間に、ライティングダクト工事を行った。
21

使用電圧200Vの三相電動機回路の施工方法で、不適切なものは。

  1. イ. 湿気の多い場所に1種金属製可とう電線管を用いた金属可とう電線管工事を行った。
  2. ロ. 造営材に沿って取り付けた600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルの支持点間の距離を2m以下とした。
  3. ハ. 金属管工事に600Vビニル絶縁電線を使用した。
  4. ニ. 乾燥した場所の金属管工事で、管の長さが3mなので金属管のD種接地工事を省略した。
23

電磁的不平衡を生じないように,電線を金属管に挿入する方法として,適切なものは。

選択肢図
  1. イ.
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.
31

①で示す部分の工事方法として,適切なものは。

  1. イ. 金属可とう電線管工事
  2. ロ. 金属線び工事
  3. ハ. 600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形を使用したケーブル工事
  4. ニ. 金属管工事
11

金属管工事に使用される「ねじなしボックスコネクタ」に関する記述として,誤っているものは。

  1. イ. ボンド線を接続するための接地用の端子がある。
  2. ロ. ねじなし電線管と金属製アウトレットボックスを接続するのに用いる。
  3. ハ. ねじなし電線管との接続は止めネジを回して,ネジの頭部をねじ切らないように締め付ける。
  4. ニ. 絶縁ブッシングを取り付けて使用する。
13

電気工事の種類と,その工事に使用する工具との組合せで,適切なものは。

  1. イ. 合成樹脂管工事とリード型ねじ切り器
  2. ロ. ライティングダクト工事と合成樹脂管用カッタ
  3. ハ. 金属管工事とパイプベンダ
  4. ニ. 金属線工事とボルトクリッパ
19

単相100Vの屋内配線工事における絶縁電線相互の接続で、次のような箇所があった。a~dのうちから適切なものを全て選んだ組合せとして、正しいものは。a:電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆した。b:電線の引張強さが10%減少した。c:電線の電気抵抗が5%増加した。d:電線の電気抵抗を増加させなかった。

  1. イ. aのみ
  2. ロ. b及びc
  3. ハ. b及びd
  4. ニ. a, b及びd
20

低圧屋内配線工事(臨時配線工事の場合を除く)で、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルを用いたケーブル工事の施工方法として、適切なものは。

  1. イ. 接触防護措置を施した場所で、造営材の側面に沿って垂直に取り付け、その支持点間の距離を8mとした。
  2. ロ. 金属製へい層のない電話用弱電流電線と共に同一の合成樹脂管に収めた。
  3. ハ. 建物のコンクリート壁の中に直接埋設した。
  4. ニ. 丸形ケーブルを、屈曲部の内側の半径をケーブル外径の8倍にして曲げた。
21

住宅の屋内に三相200Vのルームエアコンを施設した。工事方法として,適切なものは。ただし,三相電源の対地電圧は200Vで,ルームエアコン及び配線は簡易接触防護措置を施すものとする。

  1. イ. 定格消費電力が1.5kWのルームエアコンに供給する電路に,専用の配線用遮断器を取り付け,合成樹脂管工事で配線し,コンセントを使用してルームエアコンと接続した。
  2. ロ. 定格消費電力が1.5kWのルームエアコンに供給する電路に,専用の漏電遮断器を取り付け,合成樹脂管工事で配線し,ルームエアコンと直接接続した。
  3. ハ. 定格消費電力が2.5kWのルームエアコンに供給する電路に,専用の配線用遮断器と漏電遮断器を取り付け,ケーブル工事で配線し,ルームエアコンと直接接続した。
  4. ニ. 定格消費電力が2.5kWのルームエアコンに供給する電路に,専用の配線用遮断器を取り付け,金属管工事で配線し,コンセントを使用してルームエアコンと接続した。
22

特殊場所とその場所に施工する低圧屋内配線工事の組合せで,不適切なものは。

  1. イ. プロパンガスを他の小さな容器に小分けする可燃性ガスのある場所 MIケーブルを使用したケーブル工事
  2. ロ. 石油を貯蔵する危険物の存在する場所 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルを防護装置に収めないで使用したケーブル工事
  3. ハ. 小麦粉をふるい分けする可燃性じんのある場所 硬質ポリ塩化ビニル電線管VE28を使用した合成樹脂管工事
  4. ニ. 自動車修理工場の吹き付け塗装作業を行う可燃性ガスのある場所 厚鋼電線管を使用した金属管工事
23

三相3線式200V回路の屋内配線を金属管工事により施設した場合に,適切なものは。

  1. イ. 太さ2.0mmの600Vビニル絶縁電線3本を同一管内に収めるのに,太さ19mmの薄鋼電線管を用いた。
  2. ロ. 太さ31mmの薄鋼電線管の曲げ半径(内側)を管の内径の5倍にして曲げた。
  3. ハ. 電線に屋外用ビニル絶縁電線を使用した。
  4. ニ. 長さ6mの金属管を乾燥した場所に施設したので,管に施すD種接地工事を省略した。
42
設問図

12で示すボックス内の接続をリングスリーブで圧着接続した場合のリングスリーブの種類, 個数及び圧着接続後の刻印との組合せで, 正しいものは。ただし, 使用する電線はすべてVVF1.6とし, 写真に示すリングスリーブ中央のO, 小, 中は刻印を表す。また, 地下1階へ至る配線の電線本数(心線数)は最少とする。

選択肢図
  1. イ.
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.
47

17で示すボックス内の接続をすべて圧着接続とする場合、使用するリングスリーブの種類と最少個数の組合せで、正しいものは。ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とし、地下1階へ至る配線の電線本数(心線数)は最少とする。

選択肢図
  1. イ.
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.
48

18で示すボックス内の接続をすべて差込形コネクタとする場合、使用する差込形コネクタの種類と最少個数の組合せで、正しいものは。ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。

選択肢図
  1. イ.
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.

出典:令和6年度 下期 学科試験、令和7年度 下期 第二種 学科試験、令和7年度 上期 学科試験(一般財団法人 電気技術者試験センター)