配電方式
第二種電気工事士「配電方式」分野:最低限の知識まとめ
配電方式に関する問題を解くために必要な、定義・数値・公式・法則をコンパクトにまとめました。
1. 配電方式の概要
配電方式は、変電所から需要家まで電気を供給するための方法です。主に以下の2種類に大別されます。
- 単相2線式: 1本の電線(電源線)と1本の戻り線(中性線)で構成される。
- 家庭用コンセントや照明などに用いられる。
- 単相3線式: 2本の電源線と1本の中性線で構成され、線間電圧と対地電圧(中性線と電源線の間の電圧)の2種類の電圧が供給可能。
- 単相2線式よりも効率よく電力を供給でき、高容量の機器にも対応できる。
- 三相3線式: 3本の電源線で構成され、主に工場やビルなどの動力源として用いられる。
- 単相2線式や単相3線式よりも大容量の電力供給に適している。
2. 電圧降下
電線には抵抗があるため、電流が流れると電圧が低下します。これを電圧降下といいます。
公式:
- 単相2線式:
- 単相3線式 (片側):
- 三相3線式 (1線あたり):
- : 電圧降下 [V]
- : 電流 [A]
- : 電線の抵抗 [Ω] (長さあたりの抵抗値×電線の長さ)
重要: 電線の抵抗は、断面積に反比例し、長さに比例します。したがって、太くて短い電線ほど抵抗は小さくなります。
3. 電力損失
電線の抵抗によって消費される電力(熱として失われる電力)を電力損失といいます。
- 公式:
- 単相2線式:
- 単相3線式 (片側):
- 三相3線式 (1線あたり):
- : 電力損失 [W]
- : 電流 [A]
- : 電線の抵抗 [Ω]
4. 電力計算
- 単相:
- : 電力 [W]
- : 電圧 [V]
- : 電流 [A]
- : 力率
- 三相:
- : 線間電圧 [V]
5. 配電方式ごとの特徴と計算例(過去問を踏まえて)
単相2線式:
- 電圧降下: 電源から負荷までの往復で発生するため、計算では2倍します。
- 例題 [src-q06] (upper): 電圧降下を抑えるには、断面積の大きい電線(抵抗の小さい電線)を選ぶ必要があります。
単相3線式:
- 電圧降下: 中性線に電流が流れない場合(例: 対称負荷)、各電源線と中性線の間の電圧降下は で計算されます。
- 不平衡負荷: 電源線に流れる電流が異なる場合、中性線に電流が流れ、回路全体で電圧の不平衡が生じます。
- 例題 [src-q07] (lower), [src-q07] (upper): 電圧降下を考慮して、各点の電圧を計算します。
三相3線式:
- 断線時の消費電力: 図のような回路で断線が発生した場合、残りの線に流れる電流と各負荷のインピーダンスから、残りの消費電力を計算します。
- 例題 [src-q06] (lower): 断線により回路構成が変わるため、フェーザ計算などを応用して解く場合があります。
6. 覚えるべき数値・用語
- 電線の許容電流: 電線の太さ(断面積)によって決まります。これは、電線が過熱して焼損するのを防ぐための安全基準です。
- 電圧降下: 配電線路における許容電圧降下は、通常、電源電圧の数%以内と定められています。
このまとめを参考に、配電方式に関する問題を繰り返し解き、理解を深めていきましょう。
過去問 (5問)
出典:令和6年度 下期 学科試験、令和7年度 下期 第二種 学科試験、令和7年度 上期 学科試験(一般財団法人 電気技術者試験センター)




